2021年10月8日
恒大デフォルト懸念は依然くすぶっています。
金市場への影響については二面性があります。
まず、国際市場ではドル建て恒大債券のデフォルトが生じても、リーマン級の連鎖破綻は起きないと見ています。それゆえ金は信用収縮がジワリ拡大する中で、安全資産としてジワリ買い圧力が強まると見ます。これが一面。
もう一面は中国国内市場での影響。習近平政権は国内の過剰流動性が不動産市場から他の市場へ転移することを非常に警戒しています。金市場なども差し詰め、その受け皿のひとつとして見做される可能性があります。そうなると中国個人投資家の金投資に対する規制を強化するかもしれません。金関連企業への締め付け強化も考えられます。
かくして、恒大リスクは金に対してプラスとマイナスの影響が同居するのです。
なお、万が一恒大リスクがリーマン級となれば、マージンコールに必要とされる現金を捻出するため換金売りの対象にされるでしょう。その場合は1500ドル台まで瞬間的に下がり、直ぐに1700ドル台に瞬間的に戻すような、所謂フラッシュクラッシュ現象が見られるかもしれません。
恒大問題は長期化必至ゆえ、金市場としても年内無視できない問題となるでしょう。