豊島逸夫の手帖

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ダイヤモンドは運用対象になるか

2021年7月28日

これ、最近多い機関投資家との個別Zoomセッションで聞かれた質問だ。
ダイヤモンドは1グラム=何円、1カラット=何円という価値の標準化ができない。鑑定により価値が異なる。従って機関投資家の運用対象としては不適当。個人投資家にも投資対象としては薦めない。
そこから話が発展して、婚約指輪としてダイヤモンドを買う「習慣」は販促機関が数十年かけて毎年コマーシャルを流し続けて、結婚するならダイヤモンドリングを相手方に贈らねばならないという「義務感」を植え付けた結果だと説明した。殆どの機関投資家たちはかなり驚く。私の世代は結婚したら3か月分の月給をはたいてダイヤモンド婚約指輪を買わねば、愛が疑われる(笑)とまで洗脳されたものだ。まぁ贈られる側にしてみれば、ほくそ笑むのかもしれない。否、今では堅実派が増えているから、ダイヤモンドに注ぎ込むおカネがあるなら、将来に備えて貯蓄しよう、積み立てを始めよう。或いは家庭の必需品や家具などを買おうと考えるかもしれない。
「私の贈ったダイヤモンド婚約指輪は売れますかね」とも真剣に質問されたこともある。サラリーマンが買える程度のダイヤモンドなら売っても二束三文と言ったらがっかりしていた(笑)。
指輪に使われている金やプラチナはもちろんその日の相場で売れる。
この事例でも明らかなようにプロ向けゴールドセミナーと言っても金に関する知見は個人投資家とあまり変わらない。個人投資家の勉強家ならプロより知識は豊富かもしれない。

さて、日本でもワクチンを2回接種した人の感染事例が「突破型」(ブレークスルー型)として注目され始めた。
ファウチ氏ら医療専門家の説明では基本的にワクチンは100%有効ではないので、今後接種人数が増えれば突破型症例数も必ず増える。車のシートベルト着用と同じだ。交通事故数が増えれば着用中の事故数や死亡者数も増えるとされる。
とは言え、ファイザーもモデルナも変異型対応ワクチンを開発中だ。
米国ではマスク着用義務再開の事例も出始めた。
東京で一日3千人を超えた日本の感染者数も減らないであろう。殆どの新規感染事例が若者世代ゆえワクチン接種を勧める、不要不急の外出は避けて、マスクを着用しなさいと言われて、「はい、そうですか」とは行くまい。国内ワクチン供給の実態もここまでお粗末とは思わなかった。五輪が過ぎれば接種も進み事態は好転するとの読みもあったが楽観的であったようだ。日本株も相変わらず売られている。IMFは経済成長見通しを先進国の中で日本だけ下方修正した。医療現場では「オリンピックで金メダルラッシュ?それどころではない」。筆者もお手上げ、諦めモードだ。

2021年