豊島逸夫の手帖

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爽快!大谷翔平40号&8勝達成

2021年8月19日

五輪の後、暗いニュースが続く中で実に爽快な瞬間でした。相場モニター画面をアベマティーヴィーのメジャーリーグ中継に切り換えて仕事そっちのけで見てました(笑)。凄い記録ですね。仮に大谷選手が明日から今シーズン欠場してもMVP(最優秀選手)に値するでしょう。
40号を打った直後の「確信歩き」が何ともカッコいい。中継の米国人コメンテーターも「メジャーリーグの歴史に残る瞬間だ。」と興奮していました。投手として8月の月間最優秀選手賞の可能性も。

さて、現実に戻ります(笑)。
昨晩は7月FOMCの議事要旨が発表されました。
そこでFOMC参加者の殆ど(mostという単語で表現されています)が、年内テーパリング(量的緩和縮小)が妥当と「実質合意」していたことが確認されたのです。物価上昇率も雇用統計も基本的には「経済回復」と見做すに相当するとの判断です。但しデルタ株猛威の経済悪影響や労働参加率の低迷(感染不安で就職しない人たちが多い問題)は残ります。それでも「量的緩和縮小」ということは「量的緩和を継続するが、これまでの毎月1200億ドル(約13兆)の国債・住宅担保債券の買い取り量を徐々に減らしてゆく」ということです。まだ緩和政策継続であることには変わりありません。それでもマネーじゃぶじゃぶ状態に慣れてしまい、困った時のパウエル頼みの如き依存症状も顕著なので、市場は不安視してきたわけです。

次の段階が「利上げ」。これは明確に金融緩和から金融引き締めへの政策大転換となります。これがこれからの問題となるでしょう。2022年か2023年か。さすがに金融引き締め決定となれば、その瞬間に金利を生まない金の価格は下がるでしょうね。まだ先の話ですが。
テーパリング実質合意程度では既に織り込み済み。後は毎月どの程度債券購入額を減らしてゆくのか。それを何か月続けるのか。この具体的数字が注目されます。次回の9月FOMCで議論され決定されるでしょう。それまでの期間にはFOMC参加者の講演・発言などが市場では注目されるでしょう。

なお、これからは利上げが材料視されると書きましたが、足元ではテーパリングで米10年国債利回り(ドル長期金利)が1.2~1.3%水準から再上昇するのか、或いは逆に下げ続けるのか。これが「謎」とされ市場も身構えています。理屈では量的緩和による米国債購入量を減らせば、金利は上がるはずなのですが、教科書通りに市場は動きません。FRBが購入を減らしても外貨準備や年金運用の世界では安全資産として米国債は根強い人気があるのです。ゼロ金利の時代ゆえ、低水準とは言え年率1.3%貰えれば御の字ということですね。彼らの運用は巨額なので断トツの規模を持つ米国債市場に対抗できる規模の市場は無いのですよ。彼らは金も買っていますが、米国債市場の規模に比べれば金市場は小さいですから、あくまでヘッジ目的の脇役という位置付けです。

最後に「これは看過できない」という問題。
南米ペルーなどで猛威を振るい死亡率も高い変異種ラムダ株感染者が、検疫で五輪関係者の一人に確認されていたのに、厚労省は同じ機内の濃厚接触者リストを含め関係自治体と五輪組織委員会などに一切連絡していなかった。ここまで来ると呆れてモノが言えません。
折角爽快な話題で始まったのに、今日も結局暗い話で終わってしまいましたが。。。。

2021年