豊島逸夫の手帖

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日本不在の日本株高、日本勢は「寝耳に水」

2020年12月29日

今日のマーケット関連トップニュースは、日経平均30年ぶり高値更新。
ええっ!こんな時期にと国内勢は「寝耳に水」!
年末年始休暇入りの日本では日経平均が700円超急騰。30年ぶりに2万7千台の壁を突破した。

一方、クリスマス休暇明けの欧米市場は実質新年入りを視野に動き始めた。
そこで、がら空き状態の日本市場が狙われた。
既に日本株には興味を持ち、日本市場の状況は常に把握している。
日本時間中のダウ平均先物も前日比100超上昇で推移していた。
願ってもない「買い」の市場環境だ。
米国コロナ追加予算案にトランプ大統領が拒否権発動したが議会は2/3の多数で覆す見込みが材料視されている。
「日本」市場で「米国」コロナ対策が評価され「外国勢」が買い上げる展開である。

当の日本は政権支持率が急落中で政治に漂流化の兆しが見え隠れする。スガノミクスはスガノリスクに変異した。「日本株30年ぶり高値」と言われても違和感が拭えない。
年明け日本勢が正月休暇から戻り買い始めたら、短期外国勢は売りに転じるかもしれない。少なくともこれまでの日本株上昇過程では、お馴染みの光景であった。
マクロ経済面でも2021年8.2%成長が予測される中国頼みの様相だ。
日本の姿が見えない日本株高である。

なお、クリスマスと新年の狭間で金市場は閑散。1870ドル台で推移している。

2021年