豊島逸夫の手帖

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金プラチナ値幅縮小加速

2021年2月15日

金、プラチナ、銀の3日間価格グラフを添付した。緑線が本日。

KITCO24時間グラフ(金)3202a.gif

KITCO24時間グラフ(プラチナ)3202b.gif

KITCO24時間グラフ(銀)3202c.gif


プラチナ、銀の上げが鮮明だ。
小さな市場に投機マネーが束になって襲い掛かる。このような傾向が新常態として顕在化してきた。株では小型株。貴金属市場ではプラチナや銀。それぞれ水素系新規用途、電気自動車需要など言い分はある。その買い材料が現実になるのは、まだ将来のことだが過剰流動性は先取りして買いに動く。果たして現実になる日まで何年も「期待感」だけで高値水準を維持できるのか。新常態の投機マネー主導ゆえ、これまでの業界の常識では計れない動きが無視できず。仮に筆者の「希望的観測」どおりプラチナ2000ドルになって、その後何年も維持できるか否かは視界不良としか言いようがない。

今日は日経平均もコロナ禍で3万円の大台をつけた。
以下はマクロマーケット動向。

本日15日はNY市場休場。日本時間明日16日夜にNY市場再開となる。日本時間月曜と火曜の日中時間帯は世界の過剰流動性の受け皿として日本市場が急浮上している。高速度取引の時代に48時間あれば様々な仕掛けが可能だ。
株価は短期調整必至だが基本的に高値圏を維持しよう。有事対応の金融財政政策による過剰流動性は変わらない。

日本株に関しては東京五輪中止リスクがつきまとっていた。しかし組織委の委員長問題により、図らずも「東京五輪はオールジャパンで開催強行される」との認識が出てきた。五輪商業化傾向は世界的に顕著で日本も例外ではない。誰が新委員長になろうと五輪中止だけは日本政府にも多くの日本企業にも「あってはならぬこと」ゆえ、強行開催に動くとの見立てである。但し変異ウイルスの急激悪化シナリオは捨てきれず、「株の宴」に参加するものの依然会場出口近くに陣取る姿勢は変えていない。

なお、コロナ禍で日経平均3万円突破という現象は、株式投資が異次元の新常態に入りつつあることを示唆している。レディットマネーがその典型だが、今や株価指標・企業業績・金融政策・チャートなど過去の経験則やファンダメンタルズを無視した投資家集団が市場内の一勢力として無視できなくなってきた。さすがに投資家交流サイト「ウォールストリートベッツ」で日本株が語られることはない。しかしAIやアルゴリズム系の投資集団は、これまで非現実的と考えられていた株価レンジでも積極的に売買を仕掛けてくる。一般投資家は自らのリスク耐性を見極め、鍛えられた胆力あれば相場に乗り、なくば傍観に徹する姿勢が肝要だ。更に乗ってゆく場合でも常に出口で降りるタイミングを意識して、決断は遅きに失するより、早すぎて得べかりし利益を取り損なうくらいの方が良い。なおポートフォリオの中で株の運用配分が突出してしまうケースも増えているが、ここは冷静にリバランス(基本的運用配分率に戻す)も考えるべきであろう。コロナの行方を見通せる人物は未だ世界で誰一人いない。

2021年