豊島逸夫の手帖

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イエレン氏、富裕層「含み益」課税に言及

2021年10月27日

バイデン政権は党内反対意見により法人税増税を断念したので新たな財源を模索している。その選択肢のひとつとして富豪保有資産の「含み益」にも課税する案が浮上してきた。
株式市場では気になる話題だ。これまでもウォール街では様々な議論が交わされてきたのだが、イエレン財務長官が24日の日曜日にCNNのインタビューで同案を検討中と語ったことで俄然現実性を帯びてきた。
「含み益」を課税対象とすれば、例えばテスラのマスク氏やアマゾンのべゾス氏の納税額は前代未聞の規模になろう。

当面の課税対象者の富豪は1000人に満たないとされるが、市場が恐れるのは「富裕層」の範囲が拡大されることだ。そうなれば起業志向は委縮、更にマネーの海外逃避を招くのは欧州の事例で明らかである。

課税対象資産としては株、外貨、債券、不動産、そして貴金属や仮想通貨も考えられるが、更に美術品や知的財産など、評価が難しい資産も含まれるのか現時点では不明だ。

イエレン財務長官はインタビューで「これは財産税ではない」と苦しげな言い訳をしたが市場は疑心暗鬼になっている。

2021年