豊島逸夫の手帖

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金銀暴落

2021年9月17日

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驚きました。偶然とは言えブログに恒大デフォルトなら瞬間的1500ドル程度もと書いた8時間後に、金価格は1790ドルから最安値では1740ドル台まで暴落したのです(KITCOグラフ緑線参照)。
昨日、日本時間午後6時くらいに異変は起きました。1780ドル割れ。
そして午後9時には1760ドル台。NY金トレーダーたちからは中国経済指標悪化、エバーグランデ(恒大)懸念などが指摘されていました。
そして午後9時半に米国小売統計好転が発表され、更に1740ドル台。

米8月小売売上高もサプライズでした。デルタ株懸念で消費者は委縮して前月比マイナス0.7%が事前予測されていましたが、蓋を開けてみれば、なんとプラスで0.7%増。最近経済指標の派手な予想外れが目立ちますが、これはその中でも最大級ですね。デルタ株懸念で外出を控え、自宅で通販爆買いして鬱憤晴らしという感じでしょうか。

市場視点ではこれでテーパリング(量的緩和縮小)が早まるのではないかとの反応。金には逆風です。
更に経済好転を背景に米10年金利も1.3%台で上昇。外為市場ではドル高進行。これも金には売り材料。
こうしてみると一気に金売り材料が集中した日でした。

とは言え、さすがに1740ドル台では現物の押し目買いが下値を支えています。
相場の形は良くありません。当面、脆弱な傾向。
ここにエバーグランデ関連で何か新たな展開でもあれば1700ドルとか。

なお、なぜデフォルトで安全資産の金が売られるのかとの素朴な疑問。
中長期的には安全資産として買われるキッカケになります。
但し、リーマンショックの時もそうでしたが、直後はとにかく現金が必要ということで換金売りの波に晒されるのです。金はいつでも売れて現金化できるのでATMなどと言われます。流れは暴落後暴騰のV字型展開になります。一般個人投資家が着いてゆける世界ではありませんから、せめて心の準備だけはと昨日も書いたわけです。まぁ冷静に、そういうシナリオもある、程度に考えておいてください。

さて、来週はいよいよ9月FOMC。小売統計サプライズで俄かにざわついてきました。

それから金より投機的な銀の下げは金の倍きついです。

2021年