豊島逸夫の手帖

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突発的要因、南アで新型コロナ、市場は混乱

2021年11月26日

米国市場は感謝祭休日だし、今日は静かとタカをくくっていたら、
何と南ア発で新型変異ウイルス確認の報道がアジア時間に流れた。感染力も強いという。

市場は一転、大波乱に。
ダウ時間外で300ドル以上急落。日経平均は午前中だが700円安。
安全資産とされる米国債、円、そして金が買われる展開。
米10年債利回りは、これも時間外で1.7%をうかがう動きから、一気に1.56%まで急落。
円相場も115円台から114円台半ばまで円高急伸。
そして金国際価格は1790ドル台後半に反騰。8ドル程度の上げ。1800ドルは回復していない。

やれやれ、全く何が起こるか分からない。
このニュースはまだ第一報の段階ゆえ、今後徐々に消化されてゆくと思う。
こんな理由で金が上がってもちっとも嬉しくない。

日本はGoTo再開の頭をいきなり打たれた感あり。
そもそも欧米でコロナが急拡大している時に日本だけ感染急減という展開は不自然。筆者はこの新型コロナ報道以前から、早晩日本でも第6波は必至と感じている。GoTo再開の検討を始めた頃と現在では世界の感染状況が激変している。まぁ12月半ばくらいまで束の間の「晴れ間」にせいぜい旅行など楽しみましょ。

マーケット目線では、仮に南ア新型変異ウイルスが本当に無視できなくなれば、米国も利上げなど言っていられない状況になろう。ここは要経過観察。

ここで、南ア発新型変異ウイルス続報。
英国とイスラエルは直ちに水際対策を強化。英国は南ア及び近隣諸国からの帰国者に10日間の施設での強制隔離。
科学者たちによればデルタ株より感染力が強い。南アのヨハネスブルグ近郊で発生した感染急増(約1100人)の9割がこの新型変異ウイルスとのこと。現存コロナワクチンの効果が最も気になるところ。英国医療当局トップの談話では、これまでの変異ウイルスの中で最も強力という。日本の水際対策が臨機応変に対応できるかも問われるところだ。

2021年