豊島逸夫の手帖

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オミクロン株不安、市場では和らいでいるが。。。

2021年127

ファウチさんがオミクロン株についてやや楽観的なニュアンスの発言。更に南アの事例では殆どが無症状、或いは軽微ということでNY株式市場はダウ646ドル急騰。
米10年債利回りは1.3%台から1.4%台に上昇。
金は1780ドル台で動かず。

オミクロン株について楽観的になるのは未だ早過ぎる。データが少な過ぎる。それでも株式市場は先走り気味。投機筋の買いの口実に使われている感あり。
市場の焦点はオミクロン株が米国金融政策に与える影響に尽きる。

今やパウエルショックとまで言われるが、パウエルFRB議長が唐突にテーパリングを2~3か月早く終了、インフレは「一時的」と言ってきたが、その「一時的」という表現はもう使わずと宣言。
オミクロン株出現で市場はてっきりテーパリングを遅らせると読んでいたのでサプライズとなった。FRBは雇用重視からインフレ重視へ明確に軸足を移した。これは大きな金融政策転換と言える。
今や庶民の視点では消費者物価上昇の方が失業より重大な問題になったので、金融政策もまずは荒れる物価を収束させるとの意思表明だ。

感染恐怖、或いは子育てで働けない人たち、或いは就職を諦めた人たちは当分労働市場に戻ってこない(労働参加率は上がらない)。金融政策で彼らの労働意欲を刺激することはできない。パウエル氏は「FRBが貢献できるのは、そのような社会的弱者に容赦なく降りかかるインフレ(物価上昇)を少しでも和らげることにある」と考えているようだ。

更に、今のインフレはサプライチェーン混乱などの供給制約だけが原因ではない。自粛期間中におカネを貯め込んだ消費者はモノの値段が上がってもめげずにショッピングやレジャーを楽しむ。所謂ペントアップ(我慢していた)需要が噴出していることもインフレの要因となっている。この需要サイドならFRBの金融政策で制御できるとの判断がパウエル氏変心の背景にあるようだ。

従って「コロナ後のバブルは当面容認される」との楽観論が市場で顕在化した。オミクロン株出現も恐るまじとばかりに株式も高値圏で買われている。

なお、ビットコインが先週末にいきなり20%近くも暴落した。土曜日に5万ドル台から4万ドル台に下落。その後多少持ち直したが強気一辺倒の相場ではなくなった。一日に20%と言えば、金なら1800ドルから1400ドル台まで数時間で下げるという変動幅だ。しかも先物取引はそこにレバレッジまでかけるのだから尋常ならぬハイリスクだ。いくら何でも堅気の衆には刺激が強すぎる。ビットコイン懐疑派が増えてきたのもむべなるかな。

さて、久しぶりに京都・祇園の「味 らく山」に行ってきたよ。相変わらずこのブログの読者たちが通っていたとのこと。まずは旬の海老芋。やっぱりここの海老芋はホンモノだ。関東で供される海老芋は似て非なるもの。断面の写真も添付したが、まるでクリーミーチーズみたいな食感。ムースも連想させる感触。こればかりは大将の熱の通し方による、絶品だね。ソースは弟子に伝授できるが熱の通し方を教えるのは無理。リストランテでもセカンドシェフがピンチヒッターで担当する日の味は熱の加減が異なり、差が歴然とするものだ。詳しくはインスタグラム@itsuotoshimaにアップしたよ。

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因みに私のインスタでフォローしているのは福島の野菜農場と渋野日向子だけ(笑)。

2021年