豊島逸夫の手帖

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感染爆発、市場へも衝撃

2021年8月13日

世界的にインド型の猛威が止まらない。
米国でもワクチン接種で高まった開放感が一転委縮している。
思い起こせばエンジェルスの大谷選手がホームランダービーに出場した時と翌日の米オールスターゲームの球場はマスク無しの観客で溢れかえっていた。その光景に違和感を覚えたのは筆者だけではなかったであろう。やはり事態はそれほど甘くはなかったということだ。

そして日本もいよいよ感染爆発。医療崩壊。
報道で毎日感染者数のグラフを見ているがマーケット人間の感覚だと急騰、急落が波状的に繰り返される形で実に分かりやすい。筆者は医療関係の知見は特に持ち合わせていないが、単なる相場観としては、東京の一日感染者数が2週間後に1万人の大台に達したところでピークとなり、その後急落という逆V字型を想定している。断っておくが、あくまで医療的根拠のないテクニカル分析に過ぎない。英国とイスラエルで逆V字型になっていることを参考にしているだけだ。

感染者数の市場への影響だが8月という季節性で流動性は薄く、ただ茫然として見守っているという感じだ。米株価は史上最高値圏にあるが9月にならないと本当の動きは分からない。欧米でロックダウン再開とでもなればさすがにリスクオフになろう。しかし経済的ダメージが大き過ぎるので各国とも極力回避の方向だ。

日本ではロックダウンはできないが、今より強い措置が取られることになろう。市場の注目は政局だ。株式市場では「青木率」という指標が注目されている。内閣支持率と与党第一党の政党支持率を足した指数で、これが50を切るとその政権は危ないとされる。最新の時事通信の調査では50が視野に入るようだ。

筆者は五輪が終われば材料出尽くしで日本株は買い直されると読んでいたが、感染拡大と政権不安でこれは甘い見方となってきた感がある。

政局と言えば米国もトランプ氏再登板の幻想に身構えている。バイデン大統領と近い存在であったクオモNY知事のセクハラ疑惑、辞任がトランプ陣営には追い風となってきた。2022年米国中間選挙に向け思わぬ政治要因が相場を動かす局面もあるかもしれない。

現段階では全く読めないが、金市場としても今後要経過観察の材料である。

2021年