豊島逸夫の手帖

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株価、ビットコイン急落、金は動かず

2021年7月20日

昨晩のNYダウは700ドル超の大幅な下げ。ビットコインは3万ドルの大台割れ。金は1810ドル前後で動かず。
基本的にはNY市場は夏休みモード。市場参加者は少なく短期投機筋が荒らしている。それゆえボラティリティは高い。しかしあまり意味のある価格変動ではない。メディアは後講釈に追われるが、まともに考えない方が良い。今月末にはFOMC、8月後半にはジャクソンホール中央銀行フォーラムというビッグイベントを控え、まともな投資家で敢えてポジションを取る人たちは少ない。傍観姿勢だ。

敢えて言えば、米国ではワクチン接種後の経済回復を先取りしてはしゃぎ過ぎたとの反省感がある。大谷選手が活躍した米メジャーリーグのオールスターゲームは満員で殆どマスク無しだった。あの光景を見て違和感を覚えた日本人は多いはず。その違和感を今米国人が徐々に噛み締めている。特にデルタ株という不気味な未知の要因が頭を擡げ、市場の不安感は強まった。この変異株については現時点で今後の展開を見通せる人は世界中で誰もいない。

このような市場環境の中で、安全資産として米国債が買われたので、米10年債利回りは一時1.2%を割り込む水準まで下落した。円もリスクオフで買われ短期的に円高に振れた。金は多少買われた程度。そしてビットコインは売られ3万ドルの大台を割り込んだ。
このような日々の価格変動は8月まで続くだろう。繰り返すがあまりまともに考え過ぎない方が良い。

なお、日本株離れは強まる傾向に変わりなし。ワクチン供給不足のごたつき。開会式担当ミュージシャンのイジメの過去。トヨタ自動車は五輪関連CMを中止。開会式出席も見送り。このような問題には外国人投資家は特に神経質だ。ここまで呪われた東京五輪になるとは誰が想像したであろうか。基本的に日本には無関心であった欧米人が五輪を契機に日本という国に失望している。

2021年