豊島逸夫の手帖

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雇用統計より新型ウイルス懸念

2020年2月10日

1月の雇用統計は予想を上回る22.5万人増。事前予想は16.5万人だった。失業率は3.6%と引き続き低水準。平均時給は前年同月比で3.1%増。注目は労働参加率。63.4%と2013年以来の高水準。

総じて良い数字が並ぶ。特段悪化の兆しはない。敢えて言えば、賃金がもっと上がっても良いかなという程度。

これで株が買われるかと思いきや、逆に売られている。金は1570ドル台でやや強含み程度。

やはり当面は新型肺炎の拡散動向を見極める姿勢。

実質春節明けの中国経済で筆者の注目は豚肉、野菜の高騰。物流が分断された影響を受けた。そもそも地域ごとの独立性が高く、他国より物流コストが相対的に高い国。庶民生活を直撃している。

企業活動も恐る恐るの再開。マスク着用、体温計測義務など異様な雰囲気の中でまだ出勤者は少ない。

「誰も仕事に行かない。お金のある人はひどく怯えており、敢えて外を歩こうとはしない。不動産開発は全面的に停止状態。」という。

中国経済の中で最も影響を受けそうな部門が不動産セクター。ここが痛むと経済が揺らぐ。

2020年