豊島逸夫の手帖

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米国株11年続いた長期上昇相場の終焉

2020年3月12日

昨晩のNYダウ平均株価指数は1464ドル暴落。これで高値から20%以上下げたので「リーマン後11年続いた米国株長期上昇相場は終焉」宣言が市場内で発せられた。これからは株がどこまで戻すのかではなく、どこまで下がるのかという下値模索のステージに入る。更なる株価下落の目途は当面10%。短期的乱高下(一日でダウ1000ドル幅)を繰り返しつつ価格水準を切り下げることになろう。

そこで金は上がるかと思えば1630~40ドルのレンジに下落した。またもや株の大損を金の益出し売りで相殺する投資家行動。更に株の信用取引をやっていた人は暴落で追加証拠金支払いを迫られ、そのために金を売って現金化する事例も少なくない。これが一巡すれば彼らは金を買い直すであろう。但し株が更に暴落を続けると金の益出し売り、換金売りも続く可能性がある。1700ドルは厚い壁だ。

さてコロナウイルスの現状だが、昨日はWHOが遂に「世界的パンデミック」と認定した。メルケル首相は「人口の60%から70%に感染リスクあり。コロナウイルスはワクチンもなく制御不能。」と語った。米国国立アレルギー感染症センターのディレクターは「これを封じ込まねば感染者数は数百万の単位で増える。但し封じ込めは可能だ。」とも語った。市場には「数百万人」の単語だけが独り歩きする。

なお、注目のトランプ大統領のコロナ対策だが「1兆ドル規模の給与税免除」などを唱えたが、その後全く説明がない。今朝10時からのトランプ大統領全米テレビ演説でも具体的な言及はなかった(欧州からの入国を貨物も含め30日間停止というサプライズはあった)。これまでの記者会見では「米国人のリスクは低い。」、「ウイルスはきっちりコントロールされている。」など楽観論を語るのみであった。WHOが「米国もイタリアやイランと同じことになる可能性がある」と警鐘を発しているのと対比が鮮明だ。

米国内の検査数が未だに不明ということもお粗末だ。CDCは5000程度と語っているが全貌が明らかではない。トランプ政権のリスク管理についての不信感は強まるばかりだ。

さて、私の免疫性を高めるためと訳の分からん口実でイタリア料理を食べている(笑)。

マグロのタルタルと粒貝の菜の花添えの一品。

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タケノコのリゾット(今年は暖冬でもう筍が出回っている)。

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牛肉・ルッコラ・パルメジャーノチーズとトリッパ(イタリア風のホルモン)。

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どれも高須シェフの手にかかると、さりげなくセンスが光る。

 

 

 

 

2020年