豊島逸夫の手帖

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感染者急増でワクチン開発が進むワケ

2020年11月13日

なんとも皮肉な成り行きだが、感染者数が急増するとワクチン治験で統計的に有意なデータ数が十分に得られワクチン開発が進む。ワクチンと偽薬を任意に投与して感染の有無を比較するので、両方とも感染者ゼロでは有効か否か判断できないのだ。

マーケットはワクチンの夢に期待を持てるが、足元では北半球で冬を迎え感染者数が急増中で、今冬地域的ロックダウンが不可避と認識される。夢から現実に戻り、夢と現実の狭間に揺れているとも言えよう。金価格も1870ドル前後で行ったり来たりの状況だ。

為替も104~105円台で漂流している。

それにしても日本も本格的に感染者数が増えてきた。かなりヤバい状況と認識している。
こういうタイミングで在宅勤務形態も増加の一途だ。

その在宅勤務者に5%課税せよとドイツ銀行研究所が提言して、欧米では賛否両論が交わされている。通勤でランチ、衣服、化粧品、交通費、家賃など節約できる面が少なくない。一方、在宅したくてもそれでは働けない人たちも多い。その典型が医療従事者だ。そこで在宅勤務者に関しては「雇用者側」が一人一日10ドルほど税金で払えというわけだ。自営や健康上の理由などは当然除外される。税収はコロナ対策に使われる。所得再配分政策なので米国のバイデン民主党ならやりそうな話だ。

さて、ゴルフではいよいよマスターズが米国ジョージア州で始まり、TBS系で夜12時頃から朝7時まで連夜生中継となるので、深夜NY市場のモニター画面とゴルフ中継画面と複眼構造で睨めっこ(笑)。例年春のマスターズが今年はコロナで秋に。松山選手は今絶好調でアイアンびしびし決まる。決めのパターがいまいちなので、夜中3時に「惜しい!!」などと画面に向かって思わず叫んだり。次の瞬間パウエルFRB議長の談話がモニター画面に流れ、なになにと、FRBのホームページを開けたり。忙しいわい~~~。

それにしてもジョージア州はマーケットでも注目浴びている。
大統領選挙でジョージア州は僅差でバイデン氏勝利だが、トランプ氏が「不正選挙だ!」と吠えるので、急遽「手作業」で再集計を決めた。更に上院議員選挙が補選含め2議席をこれも僅差で争い、結局どの候補も50%に達せず、1月5日に決選投票が行われる展開に。この2議席を仮に民主党が押さえると共和党と50-50になり、最後の一票は副大統領が持つので大統領も議会も民主党が支配するブルーウェーブになる可能性。選挙ゆえどうなることやら。マーケット目線では共和党があと1議席でも増やしてネジレ議会継続なら、キツイ増税案(民主党提案)やフェイスブック解体など規制強化も共和党反対で回避され、市場は「いいとこ取り」ができる思惑。

そんな事情とは異次元の光景がジョージア州オーガスタ・ナショナルGCでは展開されているのだ。無観客ゆえ人の気配がない名門ゴルフ場がこんなに広大とは。。。昨年までは観客で埋まっていたから。

2020年