豊島逸夫の手帖

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米大統領選挙と金

2020年2月4日


今日は日本時間午後にアイオワ州の民主党党員集会の投票結果が出る予定なのだが、発表が遅れているので一般論として大統領選挙の金価格への影響について。


結論は誰になっても金には買い材料になる。
そんな都合の良い話なんてと言われそう。


まず私はトランプ大統領2期目を覚悟している。民主党候補はどんぐりの背比べ。トランプ大統領なら引き続きマーケットはトランプ大統領の気ままな言動に不安定になるから金には追い風。


民主党候補は基本的に反ウォール街が多く、株は下がり金は上がる。特にアイオワ州で有力視されているサンダース氏(78)が本当に米大統領になったら株は25%下げるだろうね。本選はまだまだ先のことだけど。アイオワは今後を占うカギの州。


足元でNY金は1600ドルの壁に阻まれ1570ドル前後のレンジを行ったり来たりしている。
市場では圧倒的に強気派が多い。皆が強気になられると、へそ曲がりの私はいっぺんドンと下げて欲しいと思う。ジャンプする時、まず屈んで上昇力を溜めてから跳ねる方が、より高くジャンプできるもの。助走なしの走り高跳びも高さは出ない。
それが「相場の力学」であろう。


順風の金市場で逆風を探すとすれば、1500ドル以上では中国・インド・ドバイの三大現物市場で買い控えられることだろう。現物需給は1600ドル近辺になれば相当緩む。

特に中国は経済活動がコロナウイルスでストップした状態にあるので投資活動そのものが萎えている。ネット経由売買は出来るが心理的に委縮しているのだ。


今の金相場は欧米市場で更に上値を狙う投資家の買いで支えられている。
NY市場では安全資産として米国債と金が依然人気を保っている。為替が動かないので安全通貨としての円買いは後退した。その分が金市場に流入していると言ってよい。


今日の写真。
BSテレ東「日経プラス10」で中国新型肺炎の経済的影響を解説。既に中国人民銀行が巨額流動性投入したが、財政出動では地方融資平台という地方政府の別働部隊が習近平の指導でインフラ工事を復活させ不良債権が増えるという話。


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そして今日もガーラ湯沢スキー場の朝。


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2020年