豊島逸夫の手帖

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未曽有の経済統計に揺れるNY市場

2020年4月16日

覚悟はしていたものの、それでもショッキングな数字が米経済統計に並んだ。

鉱工業生産 1946年以来のマイナス5.4%に。
NY製造業景況感指数 前月マイナス21からマイナス78に。過去最低水準。
小売り統計はマイナス9%。
住宅市場指数は事前予測55が30に。

織り込んでいたはずだが、このように事実として見せつけられると市場は怯む。これは日本市場も他人事ではない。

更に原油先物価格20ドル割れ。世界の原油需要減2千万バレルに対して1千万バレル(過去最大の)減産合意など焼石に水。遂にテキサスのシェールにも減産の動きが。OPECプラス&プラス(サウジ、ロシアに米国参加)となるか。

そして決算シーズン入りのNY株式市場。大手米銀決算も企業破綻、デフォルトに備えた貸し倒れ引当金の大きさばかりが目立つ。危機モードだ。

金国際スポット価格は1700ドルを突破して「バブル警戒水域」に入り、さすがに利益確定売りが先行。それでも1725ドル前後で推移している。

なお、今週土曜日のBSテレ東、朝9時半からの「日経プラス10サタデー」に生出演。と言っても、このご時世で自宅から生中継出演。今日はテレビ局の技術さんと中継システム立ち上げ。これからは自宅からの出演が普通になる。テレ東グループは15日から20日まで「休日扱い」。但し番組は流す。要は少ない人数でこなしてゆく。これも有事対応。テレ朝は局全体が封鎖の可能性さえ出てきているからね。前から感じていたのだが、テレビ局のスタジオって完全な封鎖空間。普段から埃っぽい。そこにウイルスが侵入したらどうなるか。

米国ではキャスターからゲストまで、全員自宅からの生出演が新常態になっている。日本風のスタジオでワイワイやるワイドショー形式は日本ならではの景色。欧米感覚では今や社会距離を無視した番組作りということになる。テレビ局も発想の転換を求められてきた。

それにしても日本政府の対応はとにかく周回遅れだね。非常事態宣言が1週間遅れた代償は大きすぎる。そして今頃になって非常事態対象地域を全国に拡大。こんな狭く人口密度が高い国で段階的に進める余裕などない。非常事態の期間だけは周回遅れなのに欧米とほぼ同じ時期を設定。最初から5月末とか6月とか区切るべき。時期を延期する時の騒動がこれまた大変だ。情けない。

2020年