豊島逸夫の手帖

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ワクチン開発が市場のメインテーマ

2020年716

昨日からモデルナ社開発中のコロナワクチンの途中経過が良好との情報が流れ、株には上昇要因、金には頭打ち要因となっています。
その内容は治験参加者45人に好ましい免疫反応が誘発され、重篤な副作用の症状は見られず、痛み、だるさ、頭痛、悪寒が一部に見られた程度とのこと。

米国感染症第一人者ファウチ氏もお墨付きを与えました(市場はファウチ氏の言うことは信用します。これがトランプ大統領が恨めしく感じているところなのですが)。
ファウチ氏によれば「グッドニュースだ。少人数のデータではあるが明確で非常に良い。」「年末までには更に大規模な研究の結果を確認することが可能だ。そこで良い結果が出ればコロナ抑制への第一歩となろう。」

モデルナ社は今月末から米国内90か所に住まう3万人を対象に次回の検査を拡大します。その場所はテキサス、フロリダ、カリフォルニア、アリゾナの感染急拡大中のホットスポット州に集中する予定で10月には結果が出ます。
モデルナ社によれば年間5億から10億の投与を目指す計画です。

モデルナ社の事例は米国政府支援補助のワクチン開発計画のひとつです。その他にもオックスフォード大学、ジョンソン&ジョンソン社、ファイザー社などが名を連ねています。成功例が出れば年内にも緊急投与の可能性もあります。いずれにせよ一社だけで全人類を救うことは不可能です。

専門家によれば、まだ効果について未知の部分が多いのですが徐々に前進している状況と言えそうです。
市場も首を長くして待っていますが年内は一喜一憂、紆余曲折の展開を覚悟するべきでしょう。

なお、昨日書いた米中関係悪化について、トランプ大統領は中国の大手銀行を世界のドル建て決済システムから除外するように同盟国に働きかけるという動きに出ました。これは劇薬ですね。仮にこれを実行すると中国の大手銀行に信用不安が生じて、世界的な金融経済ショックに発展するリスクがあるからです。今後、要注意。要経過観察。

 

2020年