豊島逸夫の手帖

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「週末首都封鎖」の可能性、ヘッジファンドが注視

2020年4月3日

ヘッジファンドが日本の周回遅れのウイルス検査状況、医療崩壊リスクに注目し始めた。「4月1日に非常事態宣言のデマ」も日本の対応出遅れから生じた事例と見ている。

彼らはコロナショックで日本株売りに徹し、ここまで利益を得てきた。さすがに日経平均1万8千円を下回る水準では売りの深追いをためらってきた。しかし、ここにきて本欄でも「覚悟」と書いてきた「首都圏封鎖」をリスクシナリオと見て、日本株売り攻勢を再開する意図が透ける。

「日本には一定の対人距離(ソーシャルディスタンス)は意識されないのか」
在宅勤務などで緩和されたとは言え、日本の通勤ラッシュの報道写真に彼らは驚くばかりだ。この状況を解消するには首都封鎖しかあるまい。日本独自の法律で「要請」に留まるにしても、日本人の規律順守は素晴らしいから「封鎖宣言」だけでも日本の対人距離軽視傾向は改善されよう。
これが彼らの見解である。

日銀のETF買いは1日2日と連日1202億円規模で実施されたが日経平均はマイナス圏で引けた。「日銀が市場に負けた事例」として彼らは「売り」に自信を深めている。下値目途は1万6千円と言い切る。
「首都封鎖」が宣言されなくても「首都封鎖の噂」に怯える市場は投機筋にとって草刈り場となる。
彼らも今や在宅勤務が多いので自宅からチェックの電話やSNSメッセージを入れてくるが、直ぐに動けるように内部の許可は得ているようだ。

そして金国際価格は1583ドルから1623ドルへ急騰。
とは言え、この程度のボラティリティーは今や普通のことだ。
レンジ内での動きでもある。
一喜一憂することもあるまい。米大統領選挙までは激しい価格変動が続きそうだ。

 

2020年