豊島逸夫の手帖

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米大統領選候補第二回テレビ討論会を見て

2020年1023

今日は午前10時から世界が注目する討論会の二回目が開催され市場も注目しました。

前回の罵り合いと異なり、今回は相手が話す時は自分のマイクがミュートになるという仕掛けなので、とりあえずまともな討論会になりました。
結果はサプライズ無し。
両候補ともに従来の主張を繰り返すのみで終わりました。
トランプ氏は嘘八百を交えて喋くり倒します。バイデン氏より話法はシャープで旨いですね。それに比べてバイデン氏は特に終盤に疲れが出て集中力を欠き、言葉に詰まったり言い直したりでバイデン陣営はハラハラだったと思われます。御年78歳。これで大統領になったとして、たぶん年々この傾向は強まるでしょうね。ちょっと心配。とは言えトランプ氏に比べれば(これは誰でもですが 笑)まともに聞こえますよ。支持率で10ポイント近くリードを広げているので、論戦は引き分けでもOKという感じです。逆にトランプ氏は余程何か大きなサプライズを引き起こさねば形勢は覆りません。結果的には逆転打もなく大失言もなく終わったので、市場目線では「安堵感」が漂います。

話題になったのは、終盤でバイデン氏が腕時計を見て時間を気にする仕草をしたこと。これにはバイデン陣営はヒヤリとしたでしょう。と言うのは1992年のクリントン氏とブッシュ(父)氏のテレビ討論会で、ブッシュ大統領が2度も腕時計に目を落としたことが勝敗を決めた事例があるからです。ブッシュ氏が「早くこの場を切り上げたい」と思ったかのように受け止められたのでした。時間に気を取られて、ブッシュ氏は「国の債務が急拡大していることをどう感じているか」との質問にしどろもどろ状態になったのです。結果はクリントン勝利に終わりました。

今朝の討論会はそのようなサプライズがなかったことで市場は安堵しました。
いよいよ残り11日。
前回は残り10日でクリントン候補の大量Eメールがすっぱ抜かれ、一気に形成が逆転したのでした。
まだまだ何が起こるか分からない危うさはありますね。気が抜けません。
特に今回は郵便投票の部分で大量の無効票や不正が起こる、或いはその疑いをトランプ氏が強硬に主張して仮に負けても敗北を認めないリスクがあります。

結果次第で金価格が上がるのか下がるのか、これも成り行きで分からないので不透明感いっぱいの市場です。

2020年