2020年5月26日
本欄にも書いてきましたが、米大統領選挙についてはトランプ共和党候補、バイデン民主党候補、どちらが勝っても金には上げ要因というのが私の見立てです。
トランプ氏再選ならばマーケットはあと4年トランプリスクと付き合わねばなりません。そもそも金高騰の最大要因はトランプ氏ですから、客観的には歓迎できないシナリオですが、金には上げ圧力が続くでしょう。ウォール街でもNYゆえ民主党支持が多いのですが、本音はトランプ氏なら株価上昇が見込めるので「隠れ」トランプ支持者が多いのです。
そして問題はバイデン候補。
先週、彼のTVリモート出演を見ました。
恒例の各州支持者集会はコロナの観点から行わず、自宅地下室からネット発信による選挙戦に徹しています。今朝はバイデン氏が2か月半ぶりに公の場に出たというニュースが流れていました。
私の感想ですが、オバマ氏やヒラリー・クリントン氏に比べ「格落ち」の感が否めません。
トランプ氏のまくしたてる語調に比し、バイデン氏はところどころ「噛み」ながら「耳が遠いから、もっと大きな声で質問してくれ。」とキャスターに促したり(バイデン氏77歳、トランプ氏73歳)、あまり格調高いとは言えない英語で話すし、論旨も未だブレが見られます。そもそも民主党候補のサンダース氏やエリザベス・ウォーレン氏という極左議員を嫌う民主党員が、中道派のバイデン氏に票を投じたという経緯があります。消去法で浮上したわけです。
そして彼の持論ですが、マーケットの観点からは「株安」になりそうですね。発言などで「何事もマーケットが決めるかのような風潮は好ましくない。」と語っています。
具体的にはトランプ法人減税による現行法人税21%を28%に増税を唱えていることが、マーケットでは歓迎されないでしょう。「トランプ経済政策はリセットする」という姿勢です。コロナ前までの米国株高はトランプ減税に発するトランプ相場でしたから、これはかなり大きな要因です。因みにサンダース議員は35%への法人増税を主張していました。
更に高額所得者の投資利益にはキャピタルゲイン税を課する方針を語りました。基本的に富める者から取り、中間層に減税することが民主党の方針ゆえ当然の結果ですが、株式市場では売り材料となるでしょう。と言うことは金には上げ要因。
と言うわけで1700ドルを超えると、需給じゃぶじゃぶでも金先物ETF主導の金高騰=金バブルが米大統領選挙までは続くと考えられるのです。
さて、日本も経済再開へ。
自粛期間中は本欄で最も人気の「旨いもの」写真が皆無でしたが、これからは復活するでしょう(笑)。
コロナが生んだ米国のヒーロー、ファウチ国立アレルギー感染所長は第二波が「確実に」来ると語っているので、束の間の解禁となるでしょうが、与えられた自由を限られた期間でも楽しみたいと思います。私はトレーダー出身ゆえか、こういうドライな割り切りは自然にできるのです。