豊島逸夫の手帖

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デフレヘッジとしての金

2020年928

金はインフレヘッジと言われますが、それではデフレの時はどうなのでしょうか。セミナーで質問を受けることがあります。
答えはデフレヘッジとしても有効。ヘッジとして金の出番がない時はゴールディロックス(適温経済)と言われる時です。インフレで熱すぎず、デフレで冷たすぎずというケースです。

デフレ時には企業や金融商品などの破綻が生じますから、発行体がなく、破綻リスクのない金は価値を保つのです。
現代の世界経済はインフレ率が2%に届かず低い状況が続いています。とは言えデフレまで悪化しているわけではないのでディスインフレ状態と言えましょう。そこにコロナ禍が直撃したので、一気に「冷たすぎる」状況になりました。その有事に対応するため未曽有の金融超緩和・財政大盤振る舞いが展開されているので、数年後にはインフレになるリスクがあるわけです。

出来れば金価格が上がらなくても適温経済になって欲しいところです。しかし仮にゴールディロックスになっても、その適温状態を維持することは極めて難しいのです。金の出番はそう簡単になくなりそうにありません。
金は持っていて役立たないのが最も望ましいのですが、最近は役立ってしまうことが多すぎますね。

さて、あの4連休の凄い人出を見てから私は改めてコロナ感染防止にかなり気を遣うようになりましたよ。極力人混みを避けて行動しています。たまたま山手線に乗らねばならない機会があったのですが、ラッシュ時間帯ではないのに結構混んでいて、次の電車を待ちましたが、これまた混んでいて、次の次で諦めて乗りました。日常生活もすっかり在宅テレワークに慣れました。NYとのコミュニケーションも全く問題なく、ネット環境さえ整っていれば広い人的ネットワークを持っているので、どこでも仕事ができてしまいます。
NY市場の相手方もトレーダーを含め在宅勤務が多いので、コロナ前より情報量は多くなった感じです。この仕事環境は元に戻らずとも全く問題ないですね。

2020年