豊島逸夫の手帖

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非常事態初日の金投資家たち

2020年4月8日

外出自粛となり必然的に自室にこもり投資ネット画面に向かう「にわか投資家」が増えている。金についても同様で、新聞の見出しで「金高騰」と知り慌てて筆者のところに連絡してくる。
「まだ上がるのでしょうか」、「誰が買っているのですか」
金に関しての知見は無い「にわか」金投資家たちだ。
日本人の特性としてやたらに理屈っぽい傾向がある。ドル・株の相関だの実質金利だの、「にわか」なのに日経新聞コメントの如き質問を連発してくる。
しかし今の異常なコロナ相場に「過去の市況の法則」は通用しない。
理屈で割り切れる相場ではない。

そもそも金とは長期に保有してこそ真の価値がある。
それを「一攫千金」の夢にとりつかれ、外出自粛で持て余す時間を使いネット画面に見入る。自分だけはなんとかうまく立ち回って金で一儲けの本音が伝わってくる。
「プロなのだから、裏技を教えてくれ」
そんな甘いものではないと言い放つと「友達甲斐がない」などとすねてくる。
いやはや外出自粛初日からこの様ではこれから3か月(と私は覚悟している)が思いやられる。
人間の性とは罪作りなものよ。
まぁかくいう私も「悟りの境地」などには遥かに及ばぬ俗人ゆえ、煩悩だらけで偉そうなことは言えないが(笑)。

少なくともフェイスブックはやっていないので、その分知り合いからの質問攻撃から遮断されているのかもしれない。ツイッター@jefftoshimaはフォロワーが2万8千人いるが、こちらがフォローしている相手はゼロ。つぶやきっぱなしで書き込みも読まない。情報を伝えるだけの一方通行だ。

それでもネット経由のアクセスは激増中である。

インスタも面白半分で趣味の世界としてitsuotoshimaを立ち上げた。こちらには全く別世界がある。まだ手探りだが好奇心でやっている。

なお金についてだが、話を難しくしないと仕事がなくなる人たちもいて、エクセルシートを見ながら現場など全く知らずあれこれ言ってくる。So what? だから、どうなんだよ。これが私の反応だ。

金市場は大きな流れを把握しておけばよい。

2020年