2020年8月24日
首題の記事が22日土曜日の日経新聞朝刊マーケット面に載りました。
カリスマ投資家レイ・ダリオ氏率いる世界最大のヘッジファンド=ブリッジウォーターが金ETF保有を今年4~6月期に35%増やし11.8億ドル相当の残高になったほか、他のヘッジファンドも相次いで増やしたことが米国証券取引委員会への四半期保有銘柄報告書で明らかになったという内容。
金嫌いのバフェット氏が金鉱株(バリック)を買ったことも市場に波紋を広げています。レイ・ダリオ氏も投資家への影響力が強い人物ゆえ、これまで金投資に足踏みしていた人たちが「お墨付き」と受け止め、新規参入してくる可能性が強いと思われます。
レイ・ダリオ氏の場合は、明確に財政政策と金融政策が一体化してインフレ懸念を誘発していると述べて、インフレヘッジとしての金保有を推奨し、且つ自ら実践してみせているのです。
なお、ブリッジウォーターはグローバルマクロ系と呼ばれるヘッジファンドで、中期的な世界経済政治情勢を読み、投資してくるので、金ETFも2~3年に亘って保有します。
しかし、一般的にはヘッジファンドは決算期までには処分することが多いので、プロの視点では彼らが何時利益確定売りに走るかに注目しています。特に11月には米大統領選挙で「材料出尽くし感」が強まる時期で、且つ多くのヘッジファンドの決算期にもあたるので要注意だと見ています。
バフェット氏に関しては、なぜ金嫌いなのに金鉱株を買ったのか、いずれメディアで語るでしょう。私の想像では彼は株式至上主義ですから、バリック社の株式を買ったので、金を買ったわけではないと説くと思います。金鉱株なら配当も付くので、バフェット流投資法でも正当化されるわけです。但し金鉱株は社長が子会社でテーマパークなどに手を出して大損して、金高騰の旨味を投資家が享受できなかったなどの事例が多く、マネジメントスキル=経営手腕という要素が重要になります。