豊島逸夫の手帖

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バイデン相場の幕開け、テーマはリフレ

2020年11月9日

バイデン氏は勝利宣言。トランプ氏はホワイトハウスに居座る。日本の「南北朝時代」を想起させる展開だ。

市場はレームダック化したトランプ氏にもはや構ってはいられない。

米国の一日感染者数は10万人を突破した後、早くも12万人に達している。そのタイミングで政治空白期間が生じることになる。

今や当面のマーケットの最大テーマは2兆ドル規模の追加コロナ経済対策。これが宙に浮いたままだ。

バイデン政権の閣僚人事も注目される。マーケットの注目はやはり財務長官ポスト。11月2日付け本欄『「エリザベス・ウォーレン」財務長官リスク浮上』に書いたように、ブレイナードFRB理事とエリザベス・ウォーレン上院議員の一騎打ちの様相だ。

更に、米国の国内分断がより深刻になり、今回の米大統領選の真の勝者は中国とも言える状況だ。米国内混乱に乗じて、習近平政権が待ってましたとばかりに南シナ海や台湾近海そして尖閣周辺で軍事的示威行為を激化させ、バイデン政権を試しに来る可能性がある。思い起こせば、この同じコメントを4年前トランプ政権誕生時にも語ったものだ。

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株はご祝儀相場で取りあえず上げそうだが、バイデン増税効果がジワリと企業収益を下押しするだろう。金は1950ドルからバイデン相場が始まる。中期的には2000ドルの上値を試しそうだ。

外為市場ではドル安・円高が進行中だがバイデンリフレによる長期金利高がドル高を誘発する可能性もある。コロナほどのショックなら95円程度まで円高が進行しても不思議ではないのに未だに103円程度かという感じ。

まずは今夜のNY市場に注目。

2020年