豊島逸夫の手帖

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第二波のリスク

2020年528

昨日のNY市場ではファウチ氏の変身が話題になりました。
今や米国で最も信頼されている、この道40年の国立アレルギー感染研究センター長。79歳とは思えない鋭い語調。趣味は毎朝ジョギング。

先週までは「第二波が来ると確信している」、「第二波来襲は疑いない」と警鐘を鳴らし、国民の気の緩みの引き締め役に廻っていました。
ところが、昨晩のCNNインタビューで「第二波が不可避とは言えない。経済再開の方が大事な時もある。」と発言を修正。
NY市場はこの発言で安心感を強め、株は急騰しました。

もうひとつの驚きは、それで金も買われ1700ドル攻防から脱し、1720ドル台まで戻したことです。もはや金は独自の動きで上がっている感じ。

因みに、ワクチン開発で市場の注目を集めた医療ベンチャー、モデルナ社にインサイダー疑惑が発生。同社幹部が同社株を100億円相当売却したと医療メディアSTAT社が報じたのです。ワクチン期待で高騰していたモデルナ社株価は一気に10%以上急落。同社幹部は自社のワクチンに自信が持てないのでしょうか。SEC(米国証券取引委員会)が調査する可能性も浮上しています。医療ベンチャーも玉石混交ですね。ワクチンについては競争して頑張って欲しいですが、こういう報道に接すると容易ではないと考えてしまいます。

今日は、日本でも東京小金井と北九州市で第二波と思われるクラスターが発生したとの報道が流れ、他人事ではないと痛感しています。

因みに、今週は金関連取材の第四波(??)が私のところに来ています。今年は息の長い金ブームという様相です。個人から機関投資家から公的機関まで幅広い層が金に注目していることも特徴と言えるでしょう。
全てリモート取材ですが、すっかり慣れました。

さて、街角には間違いなく人出が急増していますね。住宅街から都心までまんべんなく人が集まっています。東京アラート発動を覚悟していますよ。それまで束の間の自由な時間を大切に使いましょう。
マスク着用でソーシャルディスタンス(やっと和訳しなくても通じるようになった英語)を守り、手洗い励行は忘れずに。

 

2020年