豊島逸夫の手帖

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国内金価格40年ぶり高値続く

2020年2月17日

今日も金店頭小売価格は6172円と続騰。NY金も1580ドル台までジリジリ上昇しています。

やはり安全性を求めるマネーが円から金にシフトしたことを映す現象ですね。従来はNYのドル建てが上がっても円高で相殺されることが多かったのですが、潮目が変わりました。

そもそもドル円相場が膠着して大きく動きません。安全通貨はドル(ドルが王様)という見方がNY市場では定着してきました。

そしてこの週末。新型肺炎で大きな変化があり、フェーズ2(第二段階)への突入。日本で国内感染が拡大してきたのです。日本が世界から「汚染国」、「国内感染拡大国」と見られ始めています。日本政府も相次いで感染防止策を繰り出しますが、はっきり言って2週間くらい日本全体を休日にしてヒトの流れを一旦ストップするくらいやらねば、国内感染拡大は止められないと思います。でもそんな策は経済的に絶対無理。東京マラソンも東京オリンピックも危うい。

東京五輪を開催するために私たちが出来ること。それはまず手洗い励行。人混みを避ける。会議はできるだけネットで。そしてこれが大事なことですが風邪気味と思ったら即会社を休むこと。そんなこと現実的には無理だよという声が聞こえてきます。ここは上司が率先して実行して職場の雰囲気を寛容に変えなければなりません。日本では会社を休む=ダメ人間の如き価値観が未だに職場を支配していますよね。ある意味でこれを変えるいい機会になるかもしれません。とにかく無理して出社して同僚にうつすことが最悪なのです。但し、しんどくなければ、むやみに病院に駆け込まないこと。医療施設は限られていますから重篤な症例を優先せねばなりません。

とにかく日本は「汚染国」のレッテルを貼られつつあります。まずは国民の健康。そしてオリンピックを予定通りに実現させたくても時間も魔法の杖もないのです。国民一人一人の意識が最も肝要と思います。

なお、感染症の大御所のブログを紹介します。一読を薦めます。

https://georgebest1969.typepad.jp/


それから東京五輪について気になることは、IOCはWHOの開催可能との助言で決めたと言い、WHOはそんな判断はしていないと言っていること。明らかに不協和音があります。

国内では天皇誕生日の一般参賀取りやめとか大きなイベント中止の事例が相次いできました。私の周辺でもセミナー講演キャンセルが相次いでいます。特に投資セミナーは会場での感染リスクに加え、こんな非常時にカネ儲けの話をする場合かのような批判があり、主催者側がビビッているようです。

因みに明日の朝日新聞朝刊に金についての私の寄稿が載る予定ですが、その見出しが当初は「新型肺炎で金高騰」だったのが、この週末の新展開で「金指南」みたいな見出しに急遽変更されました。新型肺炎で儲けるとは何事かという「物言い」が聞こえてきます。

それから2019年10~12月期日本のGDP成長率が年率マイナス6.3%。これ新型肺炎の前の数字ですからね。消費増税の影響とされています。

金が最高値を更新するような経済環境と言えるでしょう。

写真は我が家の梅。2月にこんなに咲くなんて今までなかったこと。異常気象・地球温暖化を改めて実感。

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2020年