豊島逸夫の手帖

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洗脳された個人投資家

2020年710

だいぶ前に業界で知り合った人が久しぶりに電話をかけてきて、懐かしくなったのですが、話の内容にビックリ。
「金を持っているので、この高値でどうしようか悩んでいます。豊島さんもご存じのXXさん(その人を存じ上げないのですが・・・苦笑)が、金で儲けても90%税金でもっていかれる、或いは金の供出が強制されるとおっしゃっています。本当ですか?」

金についてはかなり知識があるはずの人なのだけど、トンデモ本に洗脳されているのですね。一人であれやこれや考え、切羽詰まって電話してきたらしい。まともに答える気にもならない陰謀説なので、頭ごなしに否定して「悪いけど、私そういう話に関わっているほど暇じゃないの。」と突っぱねてしまいました。

それにしても未だにそういう事例があるということはショッキング。所謂「オレオレ詐欺」がつけいる隙が世の中にはいくらでもあることも実感しました。
最近の金の悪徳商法は騙す方も高度化して、多少物知りの人の方がアッサリ引っ掛かるということも痛感しました。
そして、一般人でも数千万円単位の現金を家庭内に保管している事例が多いことにも、改めてビックリ。

更に、著名な知識人でも金については一夜漬け程度の勉強で、かなりいい加減なことをメディアで語っている事例も頻繁に見られます。

さて、金価格の方は1800ドル大台突破でかなりの利益確定売りが出ましたが、一巡すれば出遅れ組から新規買いが入り買い支えられる展開です。昨晩はバイデン民主党大統領候補が「株主資本主義の時代は終わった。」と語り、ウォール街では不安視されました。彼が当選すれば想定通り金には追い風になりそう。
大統領選挙が左右する1800ドル台の展開が予想されます。

そして今日の写真は芦屋老舗のクッキーセット。綺麗に詰められて食べるのが勿体ないくらい。

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なお、明日土曜日の日経新聞朝刊M&I(マネー&インベスト面)にプラチナ特集が載る予定です。



2020年