豊島逸夫の手帖

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コロナ後の「新常態」(ニューノーマル)

2020年4月28日

コロナ終息後の世界は激変しそうです。
コロナウイルスが地球上から抹殺され消えることはない。いつ、どこで第二波、第三波、第四波に直撃されるか分からない。

このような状況では野球、サッカー、そしてオリンピックなどで超満員の会場で盛り上がるということは、ソーシャルディスタンス(一定の対人距離)の観点で望ましくないということになりそう。
次に飛行機や新幹線で3人掛けシートABCのBをどうするかというような問題も。
更にプライバシー保護の問題も変わりそう。元陽性者はその行動が追跡され、名前がウォッチリストに載るでしょう。これまで守られてきたプライバシーの原則が大きな試練を迎えている。

様々な面で劇的に変わるニューノーマル。
私の懸念は各国GDPの5割から7割を占める個人消費が本当に戻ってくるかということ。戻らないと思う。
個人消費は去勢されてしまい萎えている。
日本では「自粛疲れ」と言われるが、消費者は「自粛慣れ」してきた。例えばアウトドアと言っても玄関先かベランダでラジオ体操というイメージだ。

コロナ前の盛り上がり消費には戻りそうにない。
ひとたび委縮してしまうとレストランで外食する機会も減りそうだ。繁盛している店の店内に入ることに抵抗感を感じる。
政府から10万円もらっても、消費せず結果的に貯金が増えるだけ。
明らかに世界は縮小均衡に向かっている。
相場も身の丈にあった水準を模索することになろう。

金は足元で再び1700ドルを割り込んできた。

今週の欧米市場はロックダウンの呪縛から手探りの解放=アンロックダウン。そして中銀緩和祭り。追加緩和を先取りして株式市場は囃す。けれど、それって果実の先食いかも。

債券市場は未曽有の緩和=遠い水平線上にむくむく、インフレの積乱雲が。

さて異例のGW。
私は「秘密のミッション」に動く。当然外出自粛しつつ。それはまた話す機会もあるでしょう。

2020年