豊島逸夫の手帖

2020年10月2日

大統領候補討論会でバイデン候補を「大きなマスクで顔を覆っている」と茶化したトランプ大統領が感染しました。

今日（金曜日）朝からブルームバーグ通信が「最側近のヒックス氏が陽性」と報道。トランプ氏が自らツイッターで妻（ファーストレディー）とともに自主隔離入りを公表していました。その時点で深夜のＮＹ市場は騒然としていたのですが、午後になって大統領自身がツイッターで検査結果陽性を発表。「大丈夫！ｔｏｇｅｔｈｅｒ＝一緒に切り抜けよう」とツイートしたのですが、個人的にはマスクをしない貴方とご一緒したくないよという感じですね。これから追跡調査で濃厚接触者リストが出るとホワイトハウス内外かなり広範囲に影響が及びそうです。どこまで発表するかは不明ですが。しかも大統領選挙３２日前に現職がコロナ感染とは、トランプ陣営にとっては最悪のシナリオでしょう。トランプ氏は隔離中も執務継続の意向なのか、ペンス副大統領が代行するのか。仮にペンス氏も濃厚接触者になれば下院議長のペロシ氏が代行の代行となるのか。混とんとしてきました。先は全く読めません。

市場の初期反応はダウ時間外で４００超安。円が５０銭ほど円高。そして金は１５ドルほど急騰して１９１０ドル台（日本時間金曜夕方時点）。一応セオリーどおりの展開ですが、金市場に関しては空売り筋が慌てて買い戻しに動いたものの新規の買いは不透明感から未だ限定的です。今夜は雇用統計発表もあります。

なお、トランプ氏には最側近感染可能性を知りつつ、ニュージャージー州などの支持者集会にマスクをせず出席していたとの報道も流れています。７４歳ですから高リスク患者ですよね。今後の病状もマーケットは見守るしかないでしょう。