2020年11月2日
紆余曲折が予想される米大統領選挙だが、NY市場はバイデン氏勝利、議会も両院民主党過半数獲得の「青い波」をメインシナリオと想定して頭の体操に余念がない。
既に新政権の閣僚人事まで取り沙汰されている。
市場目線で最も注目されるポストは財務長官である。
その最有力候補がエリザベス・ウォーレン上院議員。
ウォール街にとっては「悪夢のシナリオ」となりかねない人選だ。
同議員は民主党大統領候補としては撤退を余儀なくされたが、その後はバイデン氏の経済顧問役として隠然たる影響力を維持してきた。バイデン氏当選の暁には「財務長官」のポストに意欲十分とされる。
このシナリオはウォール街を震撼させる。
まず金融規制強化が連想されるからだ。
特に大手金融機関が槍玉にあがりそうだ。真っ先に大手銀行ウェルズ・ファーゴの不正口座問題に鉄槌が下されるシナリオが浮上する。批判の矛先は監督機関としてのFRB、そしてSEC(証券取引委員会)にも及びそうだ。自らが立ち上げを主導したCFPB(米消費者金融保護局)もトランプ政権下では骨抜きにされたが、その復権に動きそうだ。
バイデン氏も金融行政で独自色を打ち出したいところだ。そもそもトランプ氏との差別化を意識してウォール街とは明確に一線を画す姿勢を明示してきた。
そこまで深読みする市場は、バイデン氏当選となればリフレ期待で株が買われても銀行株は警戒される可能性がある。規制強化は金市場にとっても良い話ではない。特に「金=富裕層」の一般的イメージがこびりついているので標的にされやすい。
一方、ウォール街が大歓迎の対抗馬としてブレイナードFRB理事の名前も挙がる。オバマ政権では財務次官を務めた経歴がある。トランプ政権下のFRBでも、コロナ対応の目玉となった民間への融資プログラムの担当者となっている。この政策には財務省の実質的信用保証(バックストップ)がついている。更に、FOMCでは超ハト派として知られる。このケースは金市場も勿論大歓迎だ。
それでもトランプ氏の「株価至上主義」を批判してきたバイデン氏は、民主党左派への配慮からウォーレン上院議員を指名する可能性が高いと見られているのだ。
ウォーレン氏とブレイナード氏の共通項は女性ということ。ダイバーシティーの観点からは、黒人系のボスティック・アトランタ連銀総裁の名前も挙がっているが、2名の女性候補に比し知名度を考慮すると実現性は低そうだ。
総じて、バイデン政権の場合にはリフレ政策のメリットが増税のデメリットを当面は上回るとの評価が浸透しつつあるが、財務長官人事もリスク要因として浮上してきた。
さて、今日は音楽の話。私は伝統的なロックが好きです。学生時代はバンドでドラムスを叩いていました。そんなロックの現代版が緩い形でひとつの番組になったのがこれ、「おげんさんといっしょ」。前回は「#おげんさん」がツイッターでトレンド世界一を獲得するほどの人気。明日11月3日午後10時からNHKでOAとのこと。このシリーズは不定期で5回目くらいかな。
いい感じの日本的ロックに乗れますよ。↓
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=26033
スーパーフライのロックもいい。大統領選直前はロックでも聞きながら軽く流します(笑)。