豊島逸夫の手帖

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中国経済、中国株価、好転の兆し

2020年77

中国のPMI(製造業、購買担当者景気指数)が前月比0.3ポイント高い50.9を記録。PMIは50が景気不景気の境とされる。
PMIの内訳も新規受注と生産が上昇。

中国の政府系新聞が社説で中国株上昇の重要性に言及したことで、上海株が昨日は一気に5.7%も急騰した。
そもそも上海株は官製相場だ。オールチャイナの「国家隊」が力ずくで株価を引き上げる。筆者もコロナ前のことだが、上海での投資セミナーで講演した時、会場を埋めた個人投資家たちの熱気に触れた経験がある。

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今回も個人投資家が主たる株の買い手となっている。

更に上海株急騰は日本株、米国株にも波及。昨日のダウは459ドル高。ハイテク株中心のナスダックは過去最高値を更新した。米国経済がコロナ由来の大規模失業で揺れている時、株価は歴史的高値。家計と投資家の認識ギャップが鮮明だ。

そして株急騰にも関わらず国際金価格も10ドルほど上昇した。
株を買うのだが、高値警戒感が強く、ヘッジとして金も買うという投資家行動が顕著である。
今年の金価格は株が上がろうが下がろうが、ひたすら我が道を行くという感じだ。金が独自のアセットクラス(資産グループ)として認知されたとも言える。

さて、コロナ感染が日本で再拡大中だ。個人的には酒飲まないし、こんな時に新宿・池袋の夜の街に繰り出す人たちの気持ちが分からない。ホストクラブ、キャバクラ、カラオケ、ショーパブなどで大規模クラスター発生が相次いでいる。コロナ感染リスクに無頓着なのだろうか。本能的にそういう場所で騒ぎたい人たちなのか。

一方、地方に出向くと相互監視の如き状況で、コロナ発生に対して極端に神経質になっている。暖かい地方の友人の話だが、怪我で外科手術のため数日入院した。病院には自らの車で行った。そうしたら隣人たちが、あの家の駐車場にいつもの車がない。どうやら入院したらしい。ひょっとしたらコロナかも。と噂が尾ひれ付きで拡散したそうな。うっかり病気にもなれない。窮屈な地方社会だと嘆いていた。特に感染者がゼロに近い地域では、仮にも新規感染者が出たら村八分になりかねないと言う。日本は法律の強制力がなくても皆が巣篭り、ひたすら自粛したが、やはり世界的に見て特異な国のようだ。

 

2020年