豊島逸夫の手帖

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2020年、金1700ドル予測

2020年6月3日

私は6年前くらいから東京オリンピック開催の2020年には国際金価格が1700ドル、円建て金価格が7000円超えを予測してきました。昔からの読者の方なら覚えていると思います。現状は1700ドルどころか1800ドルも突破しそうな情勢。国内金価格も中値ベースで6000円を突破してきました。さて7000円も突破するか否か。

現状ではドル建て金価格が上昇して、ドル円は円安に振れているので、その可能性はあります。但し私の6年前の見解ではドル円が120円と読んでいました。それが今は108円ですから、ここは予測より円高気味と言えるでしょう。なかなか全部当てるのは難しいですね。

なお、今世界の外為市場ではドル安が進行しています。ドルインデックスは100の大台から97台まで下がっています。ドルが売られて、買われている通貨はユーロや新興国通貨です。しかし円は買われていません。それどころか円売りで108円台になっています。

ドル安なのに円安。ドルと円が同時に売られ、外為市場ではドルと円の弱さ比べの如き状況になっています。ドルも円も「安全通貨」とされ、市場が不安になり株安傾向になるとドルや円が買われがちになります。逆に株高傾向で市場が所謂「リスクオン」になるとドルや円は売られがちになるのです。

現在はコロナや全米デモ略奪事件続発などで本来なら株安、円高に振れてもおかしくないのですが、株高、円安になっています。
対コロナ対策で未曽有の財政・金融緩和政策が展開されているためマネーは潤沢で、そのおカネが株式市場にも流入しているわけです。FRBが「なんでもやる」姿勢で米財務相も気前よく財政を支出するので、マーケットは安堵して株買いに走っているとも言えます。

対して金ですが今や独自の動きでジワリと上昇中です。ドルが高かろうが安かろうがお構いなしで金は買われているのです。
しかもNY金(ドル建て)が上がる一方で、円安なので円建て金価格にはダブルで上昇圧力がかかっています。これは珍しい現象ですね。
いずれNY金安、円高のダブルで円建て金価格に下げ圧力がかかる局面も覚悟すべきでしょう。
そうそう金に都合の良いことばかり起こるわけではないと、ここは釘を刺しておきます。

なお、6年前の私の予測ではさすがに「コロナ」勃発など全く想定外でしたね。

2020年