豊島逸夫の手帖

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ドル続落、金続騰

2020年12月4日

まず、明日土曜日朝9時半からのBSテレ東、日経プラス10サタデーに生出演するよ。テーマはバイデン政権の閣僚人事。私の担当は経済閣僚人事。番組内容は以下の通り。

「検証 バイデン政権人事『実務重視』は本当?」(仮)
【ゲスト】※50音順、敬称略
豊島逸夫(豊島&アソシエイツ代表)
宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
渡部恒雄(笹川平和財団上席研究員)

さて、金価格が下値模索に入るとほぼ同じタイミングで、外為市場ではドル安が加速して金が買い直されている。

ドルインデックスを見ると、一時は100を超す勢いであったが、今や90の大台に接近中だ。ドル円は円高といっても限定的なので日本人には分かりにくいが、海外市場ではドル全面安と囃されている。そもそもはNY市場で円ではなく米ドルが低リスク安全通貨として認識されているので、ワクチン期待のリスクオンでは売られることになるのだ。

ワクチン期待で新興国にもマネーが戻り、新興国通貨は買われている。ユーロはリスクオン通貨なので、これもワクチン期待で買われている。

結果的に金相場はドルに救われた。1800ドルを割り込み一段安に身構えた直後に、ドル下落が加速という展開になったからだ。金はドルの代替通貨とも言われるので影響は強い。

但し、気になる展開もある。

昨日のNY株式市場では引け際30分でドスンと株価が急落した。ファイザー社が12月ワクチン生産予定量の半分しか供給できないとの報道が流れたからだ。ワクチン開発を完全に織り込んでいたマーケットにはショッキングな出来事。理由は素材調達が間に合わないということ。やはりコロナワクチンは初めての体験ゆえ、やってみないと分からない部分が多いことを思い知らされた。それゆえワクチン開発で金を売るという流れにも改めて反省感が漂う。

個人的にも来年はワクチン接種を受けることになるのだろうけど、どうなのか、漠とした不安は感じるね。でも接種してもらうけど。

2020年