豊島逸夫の手帖

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新型肺炎、シンガポールに飛び火

2020年2月13日


シンガポールの大手銀行行員に感染者が出たことで、金融街マリーナベイ地区は俄かに臨戦態勢に入りました。在宅通勤、会議はビデオ。日本で言えば大手町で感染者というイメージですから、ご当地のマーケットは騒然としています。


更にシンガポールで開催された国際会議に出席した英国人が、その後アルプスのリゾートへ移動する過程で9人の感染者を出した事件も話題になっています。Super Spreader〔スーパースプレッダー(多数感染拡散者)〕と呼ばれます。


かくして欧州では、10万人規模の世界モバイル会議@バルセロナが急遽中止に。出展社が相次いで撤退したからです。他にも国際会議キャンセルの事例が出始めました。新型ウイルスの究明もさることながら、ヒトやモノの行き来が滞ることが懸念されます。


ところがNY株式市場は至って楽観的で過去最高値更新。

横浜沖のダイヤモンドプリンセス号を所有するクルーズ会社「カーニバル」の株価がなんと2%上昇しています。コロナウイルス早期終息、企業業績来期以降は回復の楽観シナリオが目立ちます。日米市場の温度差が鮮明ですね。NY株価も反落必至と思いますが。

ニューハンプシャー州での民主党大統領候補党員投票で左派急進派反ウォール街のサンダース議員がトップに躍進したことも、株価の売り材料ではなく買い材料となりました。サンダースならトランプは勝てるという読みです。事実トランプ当選確率は急上昇。民主党候補勝利確率は急落しています。


NY金は1570ドル台で上昇中です。底堅い。


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2020年