2020年7月8日
今朝の日経朝刊にプラチナが売れているという記事が載っていました。
金1800ドルに対してプラチナは840ドル。
いかにプラチナ需要の主体である自動車産業がコロナの影響で販売不振に陥り、長期的には電気自動車へ移行するという動きがあるとは言え、それにしても金より1000ドルも安いというのは安過ぎであろうと感じます。それゆえ長期保有の実物資産として購入するのであればOKだと思います。但し短期売買で儲けようというのは丁半博打のようなものです。市場規模が金の1/20程度なのでボラティリティー(価格変動)は激しくなりがちです。
ここ一年のプラチナ価格(KITCO)を添付しましたが、同じく添付の金・パラジウム(KITCO)に比べても形は良くありません(グラフの緑の線が200日移動平均線です)。
それにしてもこれだけ長期間にわたって、プラチナが金より遥かに安い状況が続いているのに、一般人のプラチナに対するイメージが毀損されていませんね。プラチナ=高貴なメタルという神話は依然生きています。プラチナカードのステータスがゴールドカードより低いということはあり得ません。スポーツの世界ではプラチナ世代とかゴールド世代とか言われます。プラチナがワンランクアップという見方も変わりません。プラチナのプレミア感覚も未だ根強く残っています。しかも高齢者のみならず、若い人も同じ感覚を共有しています。結婚指輪という商品も最近は買われなくなりましたが、それでも買うならプラチナ派が依然多いですね。通販ではネックレスの素材が「あの憧れのプラチナですよ!」と強いセールスポイントとして強調されています。
そのような状況下で、金より遥かに安いなら買っておこうという気持ちでプラチナは買われているのです。但し欧米ではプラチナがあくまで産業用金属として認識されており、投資用に買われる機会は少ないと言えます。
なお、私はスイス銀行時代プラチナディーラーもやっていて、成績が良かったので、銀行を辞める時に1オンスの純プラチナコイン(ノーブルコイン)を記念品として貰いました。これは私の宝物ですね。
プラチナ価格が上がっても、これを売るつもりは一切ありません(笑)。
それから、以下は今日の日経金関連記事抜粋です。
金の国際価格が騰勢を強めている。指標となるニューヨーク金先物は7日の取引で一時1トロイオンス1810ドルまで上昇し、2011年9月以来約9年ぶりの高値を付けた。新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、経済再開の動きが緩やかになるとの懸念が強まった。投資家がリスクを避けようと相対的に安全な資産とされる金に資金を振り向けている。
ニューヨーク先物は1日以来1週間ぶりに心理的節目となる1トロイオンス1800ドル台に乗せた。マーケットアナリストの豊島逸夫氏は「9年前の高値局面では極めて短期間の間に史上最高値の1900ドル台まで上昇した。今後は高値更新を狙うCTA(商品投資顧問)など投機筋の資金流入も増え、相場の変動が激しくなる可能性がある」と指摘する。
国際価格の上昇に伴って、円建て金価格も再び過去最高値を付けている。