豊島逸夫の手帖

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「サクラ・パーティーってなに?」外国人投資家の疑問

2020年1224

今日は日本株の話。
「日本の政権安定性を評価して日本株に注目したが、サクラ・ガーデン・パーティーが何故おおごとになっているのか。」
「日本のコロナリスクが相対的に低いと感じていたが、報道される日本のコロナ対策はポイントを外しているのではないか。」
日本株に興味を示す外国人投資家から投げられる「素朴な疑問」だ。

「日本側のセルサイド(業界)は、ノープロブレム(問題ない)と言うが、独立系の視点での本音を聞きたい。」
日本株への本気度が増すにつれ、日本に対する見方も厳しくなることを痛感している。
正直、筆者も彼らのモヤモヤ感に対して有効な答えを見出せないでいる。

まずは、事実関係として新政権支持率の急落の背景と日本のコロナ対策予算の概要を丁寧に説明している。日本側の立場で話すと弁明口調になりがちなことが悔しい。

米国でやっと議会合意にこぎつけた9000億ドル規模のコロナ対策第四弾にしても、日本と比較すれば内容は豊富だ。失業保険上乗せ、個人給付金、中小企業給与補填、家賃・奨学金返済猶予など、ピンポイントに困窮者救済という点で超党派合意にこぎつけた。対する日本のコロナ対策予算は、再生エネルギーやデジタルなどポストコロナ経済を視野に株式市場好みのキーワードが並ぶ。しかし「今日がなければ明日がないのでは。」と早速痛いところを突かれた。

「サクラ・パーティー」に至っては、「日本も政治空白期にコロナ急拡大か」と手厳しい。「あなたがた米国人に言われたくない」と言いかけて自制した。この種の議論は深入りすればするほど「墓穴を掘る」結果になりがちなことを経験で学んできたからだ。

米国ではコロナ経済政策第四弾を「クリスマス休暇入り」寸前に滑り込み合意にこぎつけた(トランプ大統領が最後の悪あがきで拒否権発動をちらつかせ、もう一波乱あるかもしれないが)。対して日本は来年1月18日まで議会休会入り。臨時国会が開かれるケースでも、おそらく「サクラ・パーティー」の案件が優先されそうな雲行きだ。
日本株のESG銘柄探しという「各論」に入る前に、改めて「総論を再点検」の展開になってしまった。

さて、トランプ大統領の悪あがきだが、トランプ陣営の貢献者で選挙資金やロシア疑惑などで起訴された「戦友たち」に次々と「恩赦」を乱発している。遂には自らの家族、更に何と自らにも恩赦で退任後の司法の追及に対して予防線を張る構えだ。大統領が自らに恩赦など前例もなく、その法的是非論が交わされる状況。いやはや、これに比べればサクラ・パーティーなど米国人から見れば大した事ないという感じになるのかね。。。

2020年