豊島逸夫の手帖

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4月も0.5%緊急利下げ説、格付けにも注意報、金急騰

2020年3月6日

まず、先週土曜日に日経プラス10サタデーに生出演後、スタジオで収録したネット対談動画(30分)が昨日公開された。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00070/030300029/


相手はテレ東、西野志海キャスター。先週土曜時点で公開される翌週木曜日の相場を話すというリスクいっぱいの仕立て。西野キャスターはNYに転勤でモーニングサテライトのNYメインキャスターに昇進とのこと。ちなみに前回彼女と対談した時には、彼女のお父さんが娘のために金を積み立ててくれていたと告白。でも、でも、金価格高騰の前に売り払ってしまって、涙というオチだった。でも良いお父さんだね。私は、娘が一向に嫁がないのであきらめ売りだろうと突っ込みいれたけど(笑)。

さて、5日のNY市場は今週5回目となる1000ドル超幅の価格変動が繰り返された。アルゴリズム売買が制御不能に陥った感がある。

2日月曜のダウ平均寄り付きは25500水準で始まり、乱高下を経て5日の引け値は26100水準。結局600ドル幅の上げで終わっている。4日はバイデン圧勝で買われ、5日はコロナ不安で売られ、日替わりでテーマも変わる。

市場では早くも4月に再び0.5%緊急利下げの可能性も意識され始めた。そうなると残る利下げ余地は0.5%しかない。果たしてFRBが金融市場の安定を維持できるのか。

米10年債利回りは0.9%を割り込む局面もあり、債券市場の異音は高まる。金利低下でドル安円高も106円まで進行中だ。

更にコロナ被害が甚大な企業、地方自治体、そして国の発行する債券の格付けにも格付け機関から注意報が発せられた。

このような不安定な市場環境で金は30ドル以上急騰して1670ドル台に乗せている。益出し売りで急落後、早くも100ドル以上価格水準を切り上げた。株の損失を埋めるために金を売って益出ししたのだが見切り売りではない。再び金を買い直している。

需給はじゃぶじゃぶでも先物主導で上げているのでバブルだが、大統領選挙まで続くバブルとなりそうだ。

 

2020年