豊島逸夫の手帖

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欧米で日本見直しの風潮

2020年1月21日


ジャパニフィケーション(Japanification=日本化)という単語が発する「デフレの代表格」という従来のマイナスイメージが変わってきた。
少子高齢化にもかかわらず日本の労働生産性は上がっていると評価され始めた。1労働時間が生み出すGDPという基準で比較すると、2010年以来、日本は6.5%の上昇で、G7平均の5.8%を上回る。

女性と65歳以上の高齢者の労働参加率も他国と遜色ない。15歳から64歳の労働人口の中で一人当たり実質GDP(2007年以来)はG7中で首位である。人口比のGDPも日本は7.1%。9.4%の米国には及ばぬが4.3%の英国より優る。


このような経済分析が欧米エコノミストの間でなされるようになってきたこと自体がこれまで考えられなかった変化だ。

更に少子高齢化と言えど日本株も低成長局面で十分な利益を出すことを示してみせたとの評価も流れる。

過去10年間で投資適格対象国の中でのパフォーマンスは2位である。収益の伸びは米国に引けを取らない。特に製造業では日本が米国を凌ぐ。


日本企業の株主重視の姿勢も、系列の株式持ち合い解消傾向も、ガバナンスの改善と評価されてきた。物言う投資家の要求を受け入れる姿勢も顕在化している。配当金も国際基準で合格点を与えられる。自社株買いもアベノミクス開始時点から4倍以上に伸びた。まだ200兆円以上の現金を日本企業は保有しており、投資家への更なる還元が期待できる。一株当たり収益も円相場が狭いレンジに膠着気味の市場環境で成長を見せている。円相場次第の日本株という言い回しはもはや古い。


長い間、日本を揶揄する表現ばかりに遭遇してきた筆者にしてみれば、最近のこのような日本評価の変遷は目を疑るほどである。
今年は日本株にも追い風が吹いている。


さて、また関西出張があったのでらく山@祇園に寄ってきたよ。
まず新年の京都らしい白味噌仕立てふっくら「海老芋」入りのお雑煮。お餅が店でつきたて。


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次にこれも冬の京都の名物かぶら蒸し。おろした蕪の下はグジ。これをかき混ぜて食する。


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そして九条ネギたっぷりの「マル」=すっぽん。
緑のネギとの相性抜群。
カラダもココロも温まる京料理であったよ。


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2020年