豊島逸夫の手帖

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大統領選は遺恨試合に、トランプ「院政」か

2020年11月12日

バイデン氏は勝利宣言。トランプ氏は法廷闘争で一歩も引かぬ構え。トランプ支持票7千万超はそれなりに重い。日本の「南北朝時代」を思わせる展開だ。トランプが立ち退く様子のないホワイトハウスは後醍醐天皇の吉野宮。。。。みたいな。

しかし、市場はトランプ氏をレームダックと位置付け、バイデン相場の幕開けに動いている。テーマはリフレと増税の綱引き。

先週は上院共和党の「ネジレ議会」を想定した「リフレだが増税回避も」のいいとこ取り相場の様相が強まったが、その前提が怪しくなった。上院で2名のジョージア州議員ポストが1月5日の決選投票に持ち込まれることになったからだ。ここで民主党が2議席取れば上院は50-50となり、その場合には副大統領が最終決定投票権を持つ。バイデン氏も議会対策が楽になり増税案なども通しやすくなる。

リスクはやはり国を二分する支持者層を持つトランプ氏がホワイトハウスに居座るケースだろう。保守系判事を送り込んだ最高裁の判断を仰ぐとなればマーケットも無視はできない事態だ。

この米国内混乱に乗じて、習近平政権が南シナ海、台湾近海、尖閣付近で軍事的示威行為を強化して、バイデン政権を試しにくるシナリオも考えられる。一方で米国国民感情は中国叩きより大統領選相手候補叩きにシフトしているので、NY市場内には米中冷戦・共倒れを回避するための最後のチャンス到来との見解も流れる。習近平氏とバイデン氏が歩み寄りの構えを見せるとすれば「タイミングは今」であろう。これは楽観的希望的シナリオ。

なお、閣僚人事の注目はやはり財務長官ポスト。本欄11月2日付け「エリザベス・ウォーレン財務長官リスク浮上」に詳説したが、ブレイナードFRB理事とエリザベス・ウォーレン上院議員の一騎打ちとなりそうな状況だ。

大統領選が遺恨試合となり、不穏なバイデン時代の幕開けである。

さて、相撲に行ってきたよ。向正面の2列目だったのでテレビに頻繁に映っていたとの目撃情報が。意識してお行儀良く座っていた(笑)。マス席に二人で余裕のスペースで飲食は禁止。横綱二名欠場、大関も欠場。大相撲の危機。

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2020年