豊島逸夫の手帖

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金を総資産の10%から30%に引き上げよ

2020年47

今日は豊島逸夫から読者の皆さんへ大事なアドバイスです。
今はとにかくコロナ危機から人命を守ることが何より大切。そのためにはとてつもないおカネを政府としても使わざるを得ない状況になりました。普通に「おカネのばら撒き」というと悪いニュアンスになりますが、今回ばかりは未曽有の有事に対応するため止むなしということです。


とは言えコロナが終息すれば、これまた未曽有の財政赤字が残ることは必至です。日本の場合は既に財政危機が懸念されている時に更に上積みされるわけです。
英語でno free lunchという言い回しがありますが、ただのランチなどありません。一家庭に30万円現金でもらっても、財源は結局納税者が負担するカネですから、いずれその家庭が結局負担することになりかねません。
理屈では国がなんぼ借金しても、国民がせっせと働いて返済できれば良いわけです。
しかし低成長、少子高齢化の日本に昔の高度成長再来など望むべくもないでしょう。
では増税で財政赤字を減らす?これでは選挙に絶対勝てませんから政治的に不可能です。
結局歴史が示すことですが、最後には政府が国の経済をインフレ状況にして、国に借金の実質価値を減らすことになるでしょう。現在の価値で1兆円の借金も実質的には100億円くらいになれば国も返済できます。その場合には額面100万円紙幣を主婦が普通にスーパーで使うことになるでしょう。
これがコロナウイルスの合併症として最も怖い症状です。

そこで個人の資産運用にあたって、インフレに強い金を今の内から買い増しておくべきです。
更に米国国債格下げ、デフォルトリスクも無視できません。ばら撒いた巨額マネーを回収する段になって、経済が急性の強いショック症状を起こす可能性もあります。
従来、私は資産の10%程度を金でと説いてきましたが、今日からは30%とします。富裕層なら50%もアリです。
かくいう私も実行し始めました!
但し、まだ3~5年先のリスクですから、慌ててまとめ買いしないように気を付けましょう。

たまたま昨晩の欧米市場では金の国際価格が1670ドルまで暴騰しました。株も同時高。ダウ平均はなんと1627ドル(7.7%)も暴騰。イタリア、スペイン、米国で感染数、死者数が「やや」ピークアウト傾向になってきたので、これまで我慢してきたマネーが一斉に飛び出してきた感じです。でもかなり先走り気味です。4~6月が最悪期です。
このような乱高下は今後も繰り返されます。
ですからまずは1年計画で、金の割合を徐々に増やすことを薦めます。焦る必要はありません。
要は大地震警報に似て、いずれ来るが、いつ来るかは分からない。でもインフレの方が大地震よりはるかに切迫感はあります。5年以内には来るでしょう。米大統領次第では3年以内かもしれません。

繰り返します。
資産の30%をめどに行動を始めましょう。
これは「カネもうけ」の話ではありません!
あなたの大切な財産を守るための手段です!
普段、冷静を装う(笑)私がこういう語り口で説くのは、我ながら珍しい。金の世界に40年以上の私でも初めてのことです。それくらい重要なことと考えてください。


なお、昨日の本欄の原稿も難解かもしれませんが、もう一度読み直してください。

2020年