2022年2月4日
本日発表の1月雇用統計は非農業部門新規雇用者数のマイナス(減少)が予想されている。15万人減、中には40万人減予測もある。増加予測でもプラス7万人程度。10万人を超える増加になればサプライズとなりそうだ。
既に発表されているADP民間雇用統計も30万1千人の減少となっている。
これはひとえにオミクロン株の影響が大きい。「無給休暇」は失業と見做されるからだ。
それゆえ大方は一過性の減少と見ている。これによりFRBの引き締め政策が影響されることはなさそうだ。
セントルイス地区連銀ブラード総裁も「騙されてはいけない。経済も労働市場も非常に強い。年内には失業率が3%以下に下がるであろう。」と語っている。
ホワイトハウス高官たちからも今回の雇用統計は異例の低さになる可能性が指摘されている。雇用統計発表の当日は必ずバイデン大統領が記者会見で雇用増を誇らしげに語ることが慣例となっているので予防線を張っているのだ。サキ報道官も「まぁ予告と言えよう。」と語っている。
さて、決算期の米国株式市場がハイテク銘柄を中心に大荒れ。昨日はメタ(旧フェイスブック)ショック。決算悪化で何と時間外の段階で時価総額の20兆円相当が消えるという異常事態となった。
20兆円だよ。今やメタバースの仮想空間世界創設が日本の時流の話題となっているが、ハイテクバブルのメルトダウンなどと言われる。因みにメタバースは35歳以上の人たちには理解できないともされるよ(笑)。ともあれフェイスブックは一大転機を迎えている。
そして、今朝の日本時間朝6時過ぎ(NY市場引け後の決算発表の時間帯)にも再び異変が生じた。
懸念されていたアマゾンの決算発表が好調で、同社株価は引け値7%安が時間外で15%前後急反発したのだ。メタ暴落で連想売りされたスナップも23%安が一転56%高。ナスダック先物指数も300近く急反騰している。
ここまでボラティリティー(価格変動性)が激しくなると素直には喜べず、一般的な市場心理としては益々警戒感が強まる。
熱烈歓迎しているのは一貫して押し目買いに動いていた米国個人投資家集団(レディットマネー)くらいか。お馴染みのロケット絵文字を並べ歓喜の声を上げている。しかし彼らはメタ株も買い持っており、悲鳴に近い声も聞こえてくる。
今回の米企業決算シーズンは、じっくり企業の実力を計るというより、投機が先行する相場大荒れの局面と化してしまった。
昨日はイングランド銀行も利上げ、ECBも年内利上げを排除しない姿勢を明らかにして世界的金融引き締めの時代に入った(除く日本)。委縮する過剰流動性は株式市場を離れ、その一部が金市場に流入していることは確かだ。とは言え金利を生まない金の市場は利上げを警戒して素直に歓迎はできない。実質金利が相対的に下がらず上昇気味(ドル実質金利のマイナス幅が縮小気味)で、これは金に逆風となるので複雑な状況だ。
さて、日本のオミクロン株による感染も一日10万人を超え今がピークと思われる。筆者の第二の故郷である福島県でも一日で400人とか600人とか。猪苗代町で20名規模のクラスターが続発。地方では軽症と言えど、感染者のレッテルを貼られると村八分状態になるから、傍から見ていても気の毒。いつも賑やかなLINE通信がパッタリ途絶えた。NYの感染した友人たちのあっけらかんとした態度と対比が鮮明だ。