豊島逸夫の手帖

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コモディティー総崩れ

2022年7月13日

商品先物市場でインフレの波に乗り、思惑買いを加速させてきた商品投機筋が一斉に売り手仕舞いに走っている。12日には貴金属、エネルギー関連、産業用メタル、穀物類などが広範囲に売られた。連続利上げの副作用としての景気後退、不況入りのシナリオを危惧して、投機家が出口に殺到した感がある。そもそも市場の流動性が少ないので、下げも増幅されがちだ。特に新材料もなく、唐突に売りの連鎖に見舞われることも珍しくない。売り買いの口実などはトレーダーのポジション次第で強気要因にも弱気要因にも仕立て上げられる。

なお、新雪ドカ雪の如く積み上がった投機ポジションが表層雪崩を引き起こすと「根雪=真の実需」が露わになる。その根雪の水準こそ真のインフレ寄与度を示す「コア」の指標とも言える。

果たして今回の商品全面安がインフレピークアウトの兆しとなるのか。リセッションによる需要減を映すのか。単なる投機筋の売り手仕舞い集中現象なのか。

時あたかも米国消費者物価上昇率が本日発表される。FRBも国際商品市場の発するノイズにも耳を傾けねばなるまい。

そもそも一口に商品高と言っても真に需給を映す現象なのか。市場はボラティリティーに振り回され、実体以上にインフレを織り込んできたのではないか。果たしてドカ雪なのか、根雪なのか、見極めが重要だ。

もはや商品先物市場もフロアーでの売買が激減して、高速度電子取引が市場を席捲していることも相場の視界不良感を醸成している。原油価格予測はゴールドマン・サックス140ドル、シティーは65ドル。国際商品市場の欠陥を表す事例だ。

市場参加者も市場のインフラも変わったがギルド的な要素が未だに色濃く残る。

コロナ由来の新型インフレの実態の解明は未だ道半ばと言えよう。

さて、札幌便り。
昨日は札幌で一番のお気に入り「アグリスケープ」という農園レストランへ行った。今や札幌を代表するフレンチ系レストラン。大倉山シャンツェの近くに広大な農園を持ち、供する食材は全て自家製。鶏肉も黒豚もハチミツも種類豊富な旬の野菜も。恵まれた素材にプロのシェフの腕。テーブルに着くと、まずその日に農園で採れた野菜や肉類などを山盛りで見せてくれる。そしてその旬の素材が使われた品々が相次いで出てくる。

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白っぽいインスタ映えしない下の画像が、実は白アスパラづくしの絶品。生のアスパラ各種とアスパラアイスクリームからアスパラソース。

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それからグリーンアスパラのソースをかけているのは、旬のキンキとアサリの魚介類メニュー。このコンビの相性は抜群。付け合わせのポテトがこれまた絶品。

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という具合に8品完食で超満足。「札幌滞在中にあと2回くるからね」と言ったら、シェフはマジ?「まぁ色々工夫して!期待してるよ。プロだもんね!」とプレッシャーをかけた(笑)。読者諸氏には来札の機会あれば一度は行ってみる価値あり。

なお、札幌発YouTubeチャンネルの立ち上げを準備中。涼しい札幌で生黒ごまソフトクリームを食しながら、肩肘張らず、分かりやすくFOMCやジャクソンホールのことなどを解説する予定。ブログとの併読で理解も深まると思う。

2022年