豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 雇用統計後、金急落
Page3514

雇用統計後、金急落

2022年6月6日

注目の雇用統計の結果は強い労働市場を追認する流れになった。
5月米雇用統計は39万人増加で市場の事前予測を上回った。

パウエルFRB議長が連続0.5%利上げの最大根拠としている強い労働市場が確認された形だ。市場は強力な利上げ攻勢に変わりなしと見て、長期ドル金利は3%方向に反騰。金利を生まない金には逆風。KITCOグラフで示されるように国際金価格は1870ドル近くから1840ドル台に反落。中期的には一進一退傾向変わらず。但しドル高・円安に振れて、円は130円台を値固めする動き。

3514a.png

さて、この39万人増加の評価だが、バイデン大統領は今後の雇用統計がこれまでの月50万人増(平均)ペースから、15万人増程度まで減少すると予測。更にそうなることを歓迎している。
と言うのは、雇用者数増加がこれまでのハイペースで続けば、賃金コスト上昇によりインフレが加速するからだ。
バイデン大統領が雇用者数の減ることを望むなど、政治的には(特に中間選挙を控え)あり得ないことだが、今はインフレ退治が経済の最優先課題なのだ。
そもそもFRBにとってもインフレが最大の問題だ。
それゆえ雇用統計の評価もこれまでとは異なることを認識すべきだ。

さて、週末は筆者が「鍋横の御前」と呼ぶ、知る人ぞ知る相場の世界の大御所宅を訪問。令夫人の心尽くしの手料理に感服した。写真の串料理は田楽と高級牛肉を煮詰めた絶品。

3514b.jpg

3514c.JPG

風邪気味にもかかわらず、御前にはまだまだ「若造」の筆者の話し相手となっていただき感謝。相場の世界で60年の御前は日曜朝には近くの喫茶店で日経ヴェリタスを読み、夜は鍋屋横丁で行きつけの飲食店で論客たちと意見を述べ合う。たまたま御前の近所に住まう筆者の親友と筆者の配偶者が御前と同じ某大手証券会社出身という縁でもある。鍋横にはこれまた筆者の親友のカメちゃんこと亀井幸一郎君の事務所も最近まであったので縁が深い。帰り道に通った鍋横のたまり場「やるき」は密なほど客で溢れかえっていた。住宅街にある御前の邸宅は500坪を下るまい。昔ながらのお住まいも庭園も凄い。不謹慎にもこれならゴルフのアプローチ練習に最適と思ってしまう(笑)。御前には今後も若造どもに「喝!」を入れていただきたい。

2022年