2022年1月20日
昨日、本欄に書いた「中東地政学リスクで原油高騰」の影響が金市場にも波及(KITCOグラフ緑線参照)。
19日のNY市場では原油が連日の高値更新で87ドル。原油高騰が今や主たるインフレ要因となるのでインフレヘッジとしての金が買われた。ドルインデックスも95の大台でややドル安気味の展開。ドル長期金利も1.8%の大台で一服。
そして株安も要因だ。昨晩、例によってNY市場をフォローしていたが、現地の朝方ダウ・SP500・ナスダックとも前日比プラス圏で始まったが、昼にかけてジリジリ値を下げ、マイナス圏に落ちた。そのタイミングで金の反騰が加速した。明らかに因果関係がある。
ビットコインが弱気相場入りして冴えないことも金には追い風。
但し、新規買いではなく、空売り筋の買い戻しが主体。今後新規買いが続くか否か。1830ドル以上を維持できるかに注目。銀・プラチナも急騰して貴金属全面高。
プラチナに関しては、ヨハネスブルグ発の報道で暴動・略奪が激化しているので、1800人の警察官を治安維持のため動員。ズマ前大統領が不正疑惑で収監されたことがキッカケでズマ支持派と反対派が路上で激突している。生産を南アに依存するプラチナの上昇率が特に高い。今やヨハネスブルグは危ない都市なので出張社員たちも郊外の街のホテルに滞在して市中には寄り付かない。
南アの政情不安、原油市場の中東武装過激派の動きやウクライナ情勢の更なる緊迫、そしてカザフスタン国内不安など地政学的リスクもここまで重なると市場要因としてさすがに無視できない。
複数の地政学リスクが共振している状況だ。
金価格の次の上値抵抗線は1850ドル。来週に迫ったFOMCに注目。
昨晩は久しぶりにアドレナリンが出て寝そびれ徹夜してしまった(笑)。