豊島逸夫の手帖

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呆れたニッケル騒動の顛末、老舗取引所の信用失墜

2022年3月25日

昨日、本日とグローバルマーケット面でニッケル先物価格暴騰の顛末が詳細に報道されている。

欧米市場でも大きな話題になり、且つ強い批判の声が上がっている。特にショートスクイーズが発生した当日の多くのニッケル先物売買を取引所LMEがキャンセル(取り消し)するとは、開いた口が塞がらない。「取引所の看板降ろせ」との荒げた声が市場内には飛び交う。LMEと言えば歴史あるロンドンの取引所だ。LME価格と言えば世界的な指標価格である。

LMEの声明文も市場関係者の神経を逆なでする。
「今や未曽有の時期。断腸の思いでの決断。長期的市場安定と短期的な市場関係者の売買益の二択であった。」
しかし、今のLMEは香港の取引所に買収されている。今回問題となった世界最大級のニッケル生産会社も中国企業。取引銀行は中国建設銀行。銀行団の緊急融資でマージンコール(追加証拠金)を支払ったとされる。その背景には中国金融監督当局の存在もちらつく。

さて、昨日初めてPCR検査を受けてみた。勿論陰性。生まれつき鼻の穴が湾曲しているので、PCRの細い検査棒を入れにくいと言われた(笑)。

 

2022年