2022年5月24日
訪日中のバイデン大統領発言「台湾有事に軍事関与」。いつものことながら中国に配慮して、ホワイトハウスは「従来の姿勢と変わらず」とフォロー。しかし米国がこれまでの「あいまい戦略」から一歩踏み込む以上、日本も「あいまいな態度」は許されなくなる。アジアの中の日本は台湾有事に備えねばならない。資産運用面でも有事への備えが欠かせない時代に入った。筆者はこれまで「有事の金」という表現がオジサンたちのハートを鷲掴みにする傾向があるので注意を喚起してきた。しかしいよいよ筆者も「有事の金」に対して「あいまいな対応」はできないと痛感している。
大地震勃発の可能性と同じく、いつ来るか分からないが、来る可能性は強いので、そのケースを想定して備えるということだ。
有事慣れした金市場も台湾有事となれば反応するであろう。
次に米国株式市場の異常なボラティリティーが止まらない。
ダウジョーンズのマーケットデータによれば、米国株式市場が高値から弱気相場入りまで平均132日。更に底打ちまで213日かかる。昨日のSP500株価指数は高値から97日目。まだまだ株の不安定な状況は続く。特に今回は米金融政策の短期的急転換とコロナ、ウクライナ、そして台湾有事の可能性が同時進行中だ。世界中誰も先を読める人はいない歴史的な局面と言える。マネーは安全資産とされる米国債と金に流入している。しかし有事の円はすっかり下火になった。
その円相場は米国の景気後退不安でドル金利が反落しているので、127円台だが円安の潮流は変わらない。
国際金価格は1850~60の水準で推移している。