豊島逸夫の手帖

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2023年相場予測、大当たり賞は?

2022年12月9日

今年最も相場予測で当たった事例として、シティーの原油65ドル予測がNY市場で挙げられている。同時期にはゴールドマン・サックスが140ドル予測を出して話題になっていた。65ドル対140ドル。原油価格のボラティリティーが高いことを示す事例でもある。要は原油予測ほど当てにならないものはない。それゆえ最近は欧米経済メディアが原油予測記事を控えるようになった。
シティーの65ドル予測の根拠は2023年世界不況であった。世界的に原油供給が増えても、需要減少の影響の方が勝るとの見解だった。そして現実にFRBの強力利上げにより世界的景気後退が懸念されている。当時はゴールドマン・サックスが140ドルを予測する方がはるかに注目度は高く、どこまで上がるか原油価格と言われたものだ。

それにしても2020年4月20日にはマイナス原油価格(マイナス37.63ドル)が付いたほど下げるかと思えば、その後あっさりとプラス100ドルを突破するなど、原油価格の値動きは超荒い。
原油価格急騰はインフレ要因だがFRBも制御できず、パウエル議長を悩ます展開になっている。
現状はWTIで70ドル台前半まで下がったが、果たしてここが底値となるか。中国のコロナ隔離規制緩和が中国経済楽観論を醸成して原油需要増が見込まれる。対して経済制裁措置としてロシア産原油には60ドルの上限が設定された。今後もボラティリティーが高い地合いは続きそうだ。

原油と金はコモディティーとして同じカテゴリーに見られるが、実態は原油が純粋なコモディティーであるのに対して、金はコモディティーとカレンシー(通貨)の二面性を持つ。原油を外貨準備として保有する国などあり得ない。ゆえに金と原油は根源的に異なるのだ。

さて、久しぶりのOFFの日。快晴の富士山を眺めつつゴルフ!
「マーケットから距離を置く時間も必要だ」として正当化(笑)。

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2022年