2022年9月27日
国際金価格は1620ドル台まで続落。市場環境は昨日詳述したとおり変わらず。
さて、今日はドル円市場介入について、投機筋ヘッジファンドの視点。
今回の為替介入規模が3兆円と試算されていることは、早速NYのヘッジファンドにもニュースとして伝わった。日本側では過去最大とのことだが、NY市場ではピーナッツ(取るに足らない額)との反応だ。今やFRBの資産規模は8.8兆ドルにまで膨張している。2011年の為替介入時の同資産規模は2兆ドル後半であった。結局日本側金融当局は鉄砲で高速度取引の機関銃と戦っているようなものだ。未だにブローカーが外為市場で一定の役割を果たす東京市場との構造格差が鮮明だ。
これでは止血剤程度の効果しか期待できまい。
日銀の威光も東京市場留まり。NY市場に日銀の威光は及ばない。
そもそも今回の円安はNY主導で展開した。大台突破も日銀が制御できない欧米市場で起こった。
ヘッジファンドの反応を見ていると、日本側の常識的円相場予測が甘く見えてくる。
但し、米国側でも超ドル高のデメリットも意識され始めた。大型国際企業の業績への影響もその一例だ。
さすがに160円突破視野となると米国財務省も看過できまい。
長期的には円安も最終段階。短期的には円安真っ只中。政策金利との連動性が強い米2年債は4.3%、将来の景況感を映す10年債は3.9%といよいよ4%の大台を窺う。逆イールドも0.4%近傍まで拡大してしまった。10年債が上がると将来の利上げ不況感が強まり、更に政策金利予測上昇で2年債も上がるという悪循環が繰り返されている。今や8%のCPIを2%台で安定的に推移するまで下げるには6%以上の利上げが必要との議論に現実味が増している。サマーズ元財務長官はその先鋒に立つ。
最新のドットチャートではターミナルレートが4.6%でも、同チャートの2021年12月版には2022年のターミナルレートを1%未満と予測していた。リバースインディケーター(反面教師)という有り難くない二つ名を付けられたドットチャートについて、パウエル議長も廃止を考慮したことがあると語っている。「ドットチャートは額面どおりに受け取るな(a grain of salt)」との発言は未だ語り草になっている。フォワードガイダンスがその役割を果たせず、これもパウエル議長が停止の可能性を明言している。
灯台も視界に入らず、未知の海域を海図なしで航海を強いられるパウエルFRB。
年内から2023年にかけては円安の水準がかなり荒々しい乱高下を経て切り下がってゆく傾向を覚悟せねばなるまい。
さて、今日の写真は裏磐梯、ボナリ高原ゴルフクラブ。
相変わらずの磐梯山。
夕方には夕焼けの中でイワシ雲などの秋雲が360度の大スペクタクル。本当に感動したよ。