豊島逸夫の手帖

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市場は重要日程前の身辺整理中

2022年4月26日

GW中の5月3、4日に開催されるFOMCに市場は身構え、買い方は利益確定売り。売り方は買い戻しで手仕舞い。利上げと資産圧縮について正確には見通せないため、想定外の動きに備えている。

利上げについては年内FOMCの中で5、6、7月に0.5%の大幅利上げを3回連続。9、10、12月の3回は0.25%と通常幅の利上げ。通年では3月の0.25%利上げを加えて、全部で2.75%の利上げシナリオが予想されている。景気にプラスでもマイナスでもない中立金利が2.5%程度なので、それを上回る金利水準を年内に達成する姿勢だ。それでも燃え盛るインフレの火は消せず、0.75%という大幅利上げを5、6月に連続して行い、まずワンツーパンチの荒療治でインフレの頭を叩くべしとの議論も根強い。

しかも米国経済は成長が鈍化してきた段階での、過去最速ペースで金融引き締めという前代未聞の事態ゆえ、市場は取りあえず身辺整理して、その日を迎えるわけだ。日本はGW真っただ中ゆえ、手を出せず傍観するのみとなる。

さすがに史上最速ペースでの利上げとなると金利を生まない金には厳しい。昨晩は1900ドル割れまで売り込まれた。ただこの時期での価格変動を筆者はまともに見てはいない。所詮短期投機筋が暴れている程度だ。

もしFOMCでの強硬引き締め策が効けばインフレは鎮静化して1800ドル台に沈む。対してインフレ退治に失敗して制御不能になった場合は2000ドル再挑戦となる。市場では意見が割れている。筆者は後者の想定を支持。但し年末は1800ドルの中期見通しは変わらず。年内に異常な物価上昇はピークアウトするとの見立てだ。それでも地政学的リスクが歴史的高値圏の1800ドル台を支えそう。

更に円建て金価格の動きは円安次第。
ここは今やドルの独歩高。ドルインデックスが100の大台を突破している。対してユーロ・円・ポンドが売られる。

主要国中銀でFRBの利上げスタンスが最も強いので、ドルが買われる状況に変わりはない。対して日銀は黒田総裁がコロンビア大学で講演して緩和継続を宣言した。これでは日銀が円売りトレードにお墨付きを与えたようなもの。それまで円に興味なかったNYのファンドまで寝た子を起こした感がある。FOMC後130円台に飛ぶシナリオに現実味あり。従って円建て金価格は底堅い。

足元で円高に振れると「すわ日銀円買い介入か」と外為市場は色めき立つ。しかし世界がドル買いに動いている時に日銀だけ円買い介入など無理筋。黒田さんだって分かっているから動かない。否、動けない。円安放置しか選択肢はない。日銀としては原油価格が下がり貿易収支赤字幅が減ることを祈るのみ。まぁ黒田さんは来年退任ゆえ、本音は後継者に任せるというところだろう。その後継者は貧乏くじを承知で日銀総裁職を受けることになろう。中曽さんの名前が挙がっている。この人には日銀時代に招かれ、日銀内の来賓用レストランでフルコースをいただきながら金市場の最新事情についてレクチャーしたことがある。日銀時代にはバーゼルのBIS国際決済銀行定例会議の議長役として3か月に1回はスイスに出張していたとのことで金にも精通していた。国際舞台に慣れたジェントルマンと言う感じ。とは言え仮に就任すれば量的緩和と日銀株式ETF買いの後始末役となるだけにやはり貧乏くじだね。

さて、今日の写真は大手町フォーシーズンズホテルでのアフタヌーンティー。

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スイーツ好きとして大手ホテルのハイティーは色々試したがここのは抜群だね。ロンドンの本場より甘さ抑え気味で一品一品センス良い組み合わせ。お茶も紅茶から中国茶、日本茶まであり。景色も遠くに富士山を望む高層階。23階だったかな。テーブルの間隔も十分にとり感染対策も安心できる。これはお薦め。

2022年