豊島逸夫の手帖

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通貨投機筋、123円狙い、黒田ラインはスルー

2022年3月15日

金は続落。今日は円安の最新情報。

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本欄2021年10月15日付け「円安も外国人主導の展開、118円オーバーシュートも視野」と書いたが、その目標を達成した今、123円を次のターゲットに設定している。

2015年6月10日に黒田総裁が国会で円安牽制と受け止められる発言をして、124円台半ばから後半が「黒田ライン」と言われてきたが、軽くスルーされている。更に騒然としたトレーディング現場では実質実効相場は全く意識されず、ひたすら名目レートを追っている。日本経済に関する知見も薄い。

通貨投機筋の顔ぶれも変わった。
これまでは短期筋中心で売買回転も速かった。
そこに今回はグローバルマクロ系ヘッジファンドも参入している。世界の政治経済情勢を読み、中期的なポジションを張ってくる。
それゆえ2023年にかけて125円超を見込み、円買いポジションを積み上げる動きも見られる。

その根拠としては資源輸入国、少子高齢化、日本企業の生産性低迷などの構造理由が挙げられる。更にFRB利上げ7回を見込み、日米金利差拡大も見込む。

「安全通貨」としては、そもそもNY市場ではドルが安全通貨との認識が定着している。「ドルは王様=キングダラー」とも言われる。
118円達成でかなり儲けたので鼻息は荒い。

金の資産配分を通常は1割、今は3割までOKと言ってきたが、この高値圏で基本1割に戻すこともアリ。各人の資産保有状況やライフスタイルによるので一般化はできないが。

2022年